撤退理由③マンションの管理組合の規定により・・・
徹底を検討する理由としてほかにも挙がるのが、民泊サービスを提供する部屋があるアパートやマンションの管理組合の規定などです。
民泊サービスをアパートやマンションで提供する中で、騒音やセキュリティの問題でアパートやマンションの住民から苦情の声が管理組合に対して多くなることがあります。
そのため管理組合側は、住民が参加する管理組合の総会などで「民泊やシェアハウスの禁止に関する細則」を新たに制定するなどして対策を講じる事例も増えています。結果として、アパートやマンションで民泊ビジネスを提供してきた民泊ホスト、現在の部屋で続けてきた民泊ビジネスから撤退することとなります。
また、例え合法的に民泊ビジネスの許可を取得していたとしても、近隣住民などとの騒音トラブルはリスクとして出てきますので、ゲストへの説明や近隣住民への説明が重要などであることは言うまでもありません。
撤退理由④競合が増えて予約が入りにくくなり・・・
徹底を検討するホストが挙げるもう一つの理由としては、以前より自分が運営する民泊施設に予約が入りにくくなった、というものです。
現在、日本国内では民泊ホストの多くは、Airbnbなどの民泊仲介大手サイトなどを利用して自分の部屋をリスティングしております。
一方で民泊が多数のメディアで取り上げられるようになってから民泊ビジネスへの注目は高まり、競合となるホスト数が右肩上がりに日本国内で増えています。
それまでは競合相手が少なかった民泊ビジネスですが、現在では地区によっては既に多くの競争相手がおり、自分の民泊施設にうまくゲストを取り込めていないというホストも増え始めています。
Airbnbの日本国内データの分析を行う「AirbDatabank」によると、世界最大手の民泊仲介サイトAirbnbに登録されている日本国内の民泊物件数は、2017年3月時点で前年同月比55%増の46,599件となりました。
もちろん日本を訪れる外国人観光客も増えており、2016年の外国人延べ宿泊者数は前年比で8%増の7800万人と過去最高を記録しています。
しかし、外国人観光客の宿泊者数の伸びより、民泊物件の掲載数の伸びの方が大きいため、民泊ビジネスは徐々にレッドオーシャン(競争の激しい既存市場)化してきているわけです。
これらの理由も徹底を検討する理由の一つとなっていることは間違えないとみられています。
この記事では民泊ビジネスからの撤退に関する理由やホストの葛藤を説明してきました。
民泊ビジネスを取り巻く環境は年々変化を見せています。民泊事業の運営側にはこれら民泊の法整備の動向を注視していく必要があると言えるでしょう。