「私が簡易宿所の許可取得を自身で行う理由」合同会社Share Japan 高橋 延明さん

「民泊大学」の講義が始まります。

今回の教授は、「合同会社Share Japan」代表の高橋延明さんです。

高橋さんは2015年に(一社)民泊協会の代表として、「内閣府規制改革会議」や観光庁と厚労省が行う「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」に出席し、民泊の規制緩和に向けて提言されています。

2年前にはじめた民泊ホスト向けサービス「民泊リノベ」も経営されています。最近では、福岡中心に遊休不動産をホテルに用途変更し、開発から集客までを行う「シェアリングホテル株式会社」を設立するなど、民泊業界で幅広い知見を持つ高橋さんに伺いました。

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民泊に出合ったきっかけは?

ニュースから、Airbnbが日本に上陸したということは知っていました。
そこで、IT関係で起業した友人から「家賃をペイできている」ということを聞いたのです。
3年前ほど前に、私の知人の家で空室のところがあり、有効活用できないか、ということで始めました。

社団法人を設立したのは2015年のことです。
また、民泊を始めたい人に向けて、内装デザインや改修工事などのコンサルティング「民泊リノベ」も始めました。
普通は集客できないようなボロボロの内装でもリノベーションや写真の撮り方によって、価値のあるものに変わります。大きなギャップをうめて、新しい価値を提供できるかどうかがポイントです。

運営について工夫した点は?

限られた予算の中で、時間や費用をどの部分にかけるべきか、最大のパフォーマンスをどうしたら上げることができるかを考えていました。
また、デザインよりも”清掃しやすい部屋づくり”を心がけました。
例えば、ベットの足が長いか低いかで清掃面での苦労が変わってきます。

内装の点では、カーテン、ベットカバー、クッション、などの色と素材を統一して、全体の調和を図りました。

事業はどう展開した?

元々は、「民泊リノベ」を行っていましたが、簡易宿所の許可取得に参入しました。

理由としては、撤退のリスクが怖くて改装工事などの初期投資に踏み切れない人が多かったからです。
よって、民泊リノベは許可取得を前提に行うのが良いと考えています。
民泊リノベの価格設定は例がなかったため、物件毎にそれぞれ見積もりを出していました。

一般社団法人を立上げた理由は?

シェリングエコノミーが生み出す社会的価値に魅力を感じていたからです。
元々行っていた自分の会社も「Share Japan」という会社名なのですが、Uber(ウーバー)を代表とするシェアリングエコノミーに魅力を感じていました。
それと同時に、大きな社会的価値を生み出す可能性があるにも関わらず、既存業界との軋轢を感じていました。
そこで、2015年9月に行政に対して提案できるものとして社団法人を立ち上げました。

立上げにかかった期間は? 

準備にかかった期間は、3ヶ月程度です。
大きなコミュニティを持っている方々に自分の思いを伝えました。
これには、大きく二つがあります。一つは、当時、イメージが悪かったシェアリングエコノミーという部分を底上げしたいこと。二つ目は、ノウハウを共有することで、トラブルなど悪い部分を改善していき、良いイメージを伝えていくことです。
最初のメンバーは日本に上陸する前にAirbnbを使っていたアメリカ人でした。そして、初期メンバー12名でスタートしました。

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