【グローバルレポート】世界の民泊ホストはコロナ禍を生き抜くためにどんな対策を取っている?(Guesty主催コロナ対策セミナー)

コロナウィルスが世界中で猛威を振るい、旅行者が激減した今、世界の民泊ホスト達はこの苦境をどのように乗り切ろうとしているのか?

民泊管理システムを提供するGuestyが主催したオンライン・ミートアップ『Guesty Goes Virtual:  Navigating Guest Experience in the Age of COVID-19』では、コロナ感染が収束しつつあるオーストラリア・ニュージーランドの民泊管理会社の代表達が、現地の状況、ゲストとのコミュニケーション、ゲスト体験の管理などのウィズ・コロナ/アフター・コロナ環境対策、マーケティング戦略、有用な技術ソリューションを、実際にあったハプニング等や個人的なアドバイスを交えてシェアした。セミナーの様子は以下の動画で視聴できる(言語は英語)。

バーチャルイベントのパネリストは以下の通り。Yoav Tourel(Guesty APACマネージングディレクター)、Aaron Zang (OptiNest Holdings共同創業者)、Joseph Leung (KozyGuru創業者)、Jon Lawry (The Urban Butler創業者)、Mark Hodge (MaisonNetsディレクター)。

モデレータであるGuestyのYoavがオープニングで、同社の取り組みのひとつである、自主隔離向け民泊施設ディレクトリを紹介した。Guestyのサイト上で公開しているこのディレクトリは、自主隔離者向けに宿泊サービスを提供している民泊管理会社のリストを閲覧できるようになっている。

OptiNest HoldingsのAaronは、既存の顧客(民泊物件のオーナー)をどう維持するかについて語った。民泊管理会社は物件のオーナーに自ら積極的にコミュニケーションを取り、顧客である彼らが心配する前に、重要なニュースや方針の変更等について常に情報を共有しておくべきだと述べた。また11月、12月といったまだ先の時期でも予約可能な状態にしておき、コロナ禍で旅行をキャンセルしたゲストに近い将来に戻ってきてもらえるよう、アピールしていく事も大切だとアドバイスした。そして、ポジティブな姿勢を忘れない、という事も。

次に登壇したKozyGuruのJosephは、コロナの影響が続く中、いかに長期滞在のゲストを獲得するかについて述べた。JosephはリスティングページやSNS投稿の改善、自主隔離滞在プランに関するキーワードやハッシュタグを使用する事を勧める。また、スナックやトイレットペーパーなどの備品なども長期滞在に十分な量をストックしておく事、ゲストが飽きないようにNetflixやゲームなど部屋で楽しめる設備を用意しておく事もおすすめだと述べた。

The Urban ButlerのJonは、スムーズなコミュニケーションの大切さを主張した。これはゲストだけでなく、オーナー、スタッフ、委託先、清掃員など関わる全ての人々に対してだ。お勧めレストランの紹介や無料Wi-Fiといったこれまで通りのサービス以上に、ゲストに寄り添った心配りが重要になってくる。コロナ禍で、ゲストへの共感の大切さを学んだと言う。

MaisonNetsのMarkは、メディアから学ぶことができる教訓、特にAPACにおける民泊の合法性に関する誤った情報の危険性について言及。MaisonNetsは立ち往生した旅行者や自主隔離に民泊を探している人々と民泊ホストを繋げ、市場の傾向や需要についても学べるFacebookグループ “Australian Self Isolation Accommodation”を立上げている。

参加者からの質問セッション

Q:コロナウイルスによる収益損失を軽減するために、テクノロジーをどのように使用していますか?

Aaron:Guestyの価格調整機能を使用して、宿泊料金を市場価格に合うよう調整しています。

Q:オーストラリアの民泊ホストは、短期滞在から中長期滞在へ移行する傾向がありますか?それは一時的なビジネス上の決定でしょうか?または恒久的な市場のシフト?

Mark:オーストラリアでは、例えば2〜3週間の予約が3〜6か月の予約になるなど、その傾向はとても強く見られます。ただし、これらの長期滞在の料金は、短期よりもはるかに低い。将来的には、ハイブリッドが増えると思います。許容できる範囲内で、フレキシブルな滞在期間への対応を促される方向へ市場がシフトするでしょう。

Q:民泊ホストは、将来の旅行市場を楽観視すべきだと思いますか?特に短期レンタルにおいて。

Joseph:私は観光市場が復活して、短期滞在の民泊市場もそれにつれて回復すると、楽観視しています。

Q:スタッフによる清掃のレベルが基準を満たしているかどうか、どうやって確認していますか?清掃オペレーションの変更はしましたか?新しい清掃基準をマーケティングしていますか?

Jon:清掃についての推奨事項は毎日のように更新されるため、常に最新のガイドラインに従っていることを確認しています。また、例えばZoonoなど、新しい製品やソリューションも検討しています。新しい清掃基準が導入されれば必ずオーナーやゲストに伝え、誰もが安心して過ごせるよう私達が行っていることをすべて伝えています。こういったアップデートは、Guestyから自動メッセージを送信したり、リスティングの説明にも明記しています。

Q:コロナウィルスに関する免責事項にゲストが署名することは不可欠だと思いますか?たとえば、海外に旅行したかどうかなど、10個程度の質問に答えるてもらうような。

Joseph:はい、旅行禁止が発表されてすぐに、ゲストに自動的に送信するアンケートを用意しました。過去14日間の滞在場所、滞在中に何をする予定かなどを尋ねます。これは申告書のようなもので、隣人や建物の管理者が詳細を知る必要がある場合に備えて、自分達と建物を守るためです。

Q:ゲストに追加の清掃サービスを提供していますか?

Jon:一部のゲストに対してのみです。ゲスト自身と清掃スタッフの健康と安全が最優先事項なので。ケースバイケースで対応しています。

【Guestyについて】
Guestyは民泊運営に関わる多様で煩雑なオペレーションを自動化・合理化するワンストップソリューションを提供。Airbnb, Booking.com, Vrbo, AgodaやTripAdvisorなど複数のOTAでのリスティング管理、ゲストとのやり取りの一元化、自動化ツール、年中無休のゲスト応対サービス、決済など様々な機能を完備。お問い合わせ:www.guesty.com

ウェビナーレポート:ベック美穂 (https://medium.com/@mihobeck) 
民泊やゲストハウスとコラボし、旅行先での人との交流を通してパーソナライズされた旅を実現する訪日外国人向けの現地体験プラットフォームを提供する
TripJunction 共同創業者・CEO。