「オンデーズを再生した社長が手がける新しい出張のカタチ」TripBiz代表・田中修治さん

市場としての注目点は?

日本国内の出張マーケットは非常に大きい。

日本の旅館・ホテルの総宿泊客数のうち、外国人が占める割合はせいぜい10%未満です。ほかの90%は日本人宿泊者で、そのうち出張需要が40%にも上ります。そして外国人旅行客のマーケットは小さな市場の上、既に「Airbnb」という巨人もいるので、参入はしません。

いま弊社でも40人の新卒社員が東京に1ヶ月間の研修に来ていますが、彼らはそれぞれ30泊するので、彼らだけで1,200泊です。観光客の宿泊数と比べると非常に大きな規模ですよね。

また以前は、ビジネスホテルやシティホテルや旅館などで、それぞれ(宿泊者の)住み分けできていました。しかし、現在は訪日旅行者の増加によりビジネスホテルが満室になってしまう現象も起き、企業における出張コストが高まっているという現状があります。

また、研修を含む3〜4泊以上の中期滞在は民泊との相性が良いです。良い部屋があればホテルよりも過ごしやすく、一般的には靴を脱いでくつろげる部屋の構造になっている。また企業が負担するコスト的にも、出張者が自分で自炊できる環境が整っていると、トータルで考えて企業側の負担も下がります。

TripBizの仕組みの特徴は?

TripBiz(トリップビズ)は一つの会社アカウントに対して、個人アカウントが紐づき一本化される設計になっています。

これまでビジネス出張で「Airbnb」を使用する際は、社内で経費計上ができない、宿泊者本人しか予約ができない、といった問題があったと思いますが、TripBizはその問題を解決しています。

「Airbnb」にも法人向けアカウントはありましたが、「Airbnb」は旅行者が主なターゲットなので、出張における宿泊はあまり想定していなかったのではないでしょうか。

多くの企業にとって便利にお使い頂けると思いますので、今後も法人利用を促していきたいです。若いビジネスマンの方々の利用も促進したいですね。

レビューに関しても、会社の評価が高い方が宿泊価格が安くなるといった仕組みや、宿泊需要によって価格が変化するなどのシステムを取り入れれば、より多くの方々に使っていただけるかもしれないと考えています。

メガネ事業とは関係ない分野に参入する理由は?

理由の一つは小売業に対する危機感です。

「Amazon」や「ZOZOTOWN」などのECサイトの利用者が増えており、実店舗で商品の販売を行う小売業界への影響が今後さらに懸念されます。一方で、メガネに関してはインターネット購入がされにくい特性があるため、割とこれらの影響力から守られているという側面もありますが。

またこの10〜20年の間に医療のイノベーションが起きて、「明日からメガネはいらない」という世界になる可能性もゼロではありません。視力が回復する技術は日々進歩しています。

弊社では担当者を1人つけて世界保健機関(WHO)の最新研究レポートなどを毎月読みこみ、我々の業界に影響を与える技術のリサーチをしています。

もちろん、新しい事業に挑戦したいという私自身の思いもあります。さらに言えば、グループ全体で1,000億円という売上目標を掲げており、メガネ事業以外にさらに10〜20個の新規事業が必要だと考えております。

また、事業を選定する上で考慮していることは、その事業が社会問題の解決方法となっているかどうかです。例えばメガネは、人々の視力が悪いことに対する一つの解決方法の提供ですよね。

メガネ事業と民泊事業のシナジーは考慮していない?

していないです。

もともと会社で手掛けている事業と新事業の間でシナジー(相乗効果)を求めると、失敗するパターンが多いと言えます。経営において事業領域を絞った方が良いという考えもありますが、人それぞれだと思います。

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