「民泊業界の総合商社を目指す」SQUEEZE代表・舘林 真一さん

「民泊大学」の講義が始まります。今回の教授は、株式会社SQUEEZE(本社・東京都港区)代表の舘林真一さんです。

舘林さんは、新卒でゴールドマン・サックス証券シンガポール支社に入社し、トリップアドバイザー株式会社シンガポール支社に転職。その後、民泊分野で起業しています。

民泊大学でも新サービス「suitebook」をニュースで取り上げさせていただいておりました。

SQUEEZEが短期貸し一元管理ツール「suitebook」発表

今回は、民泊を知ったきっかけから今後の経営戦略までお話を伺いました。

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民泊を知ったきっかけは?

最初はゲストとして民泊を利用したのがきっかけです。

私が大学2年生だった2009年、アメリカのニューヨークへ留学に行った時に、留学先の先生が良いサービスがあると教えてくれたんです。それがAirbnbでした。

Airbnbは2008年設立のまだ新しいサービスでしたが、そのとき知ったことがきっかけでゲストとしてAirbnbやゲストハウスをよく利用するようになりました。

「カウチサーフィン」とは少し違う、ホテル以外のオプションとして斬新なサービスでした。

民泊ホストを始めたのはいつ?

新卒でゴールドマンサックスのシンガポール支社に入社し、その後はトリップアドバイザーのシンガポール支社に転職しました。トリップアドバイザーでは日本のDMO(地域と協同して観光地域作りを行う法人)と連携して、訪日外国人の招致に向けたインバウンド政策を進めていました。

そんな頃、母から自宅の空室が余って困っていると聞いて、Airbnbの運用を始めました。母は英語ができない、清掃が面倒くさいと言っていたので、私がシンガポールから遠隔で運用・管理をしました。

そして、運用するうちに「これは面白い!」と思うようになりました。(母が)アパートも何棟か持っていたため、物件数を増やしていきました。確実にニーズがあると思いましたね。

そこでボトルネックとして感じていたのが(物件運用にかかる)固定費として発生する人件費でした。宿泊産業における労働人口不足も進んでいたので、何か良いアプローチはないかと考え、クラウドソーシングで民泊の運用代行はできないかと思い始めたんです。

※クラウドソーシング:インターネットを活用して社外の「不特定多数」の人に業務を外注すること

トリップアドバイザーの退社から起業に至るまでのきっかけは?

正直、起業という選択肢は当時は全く考えていませんでした。ただトリップアドバイザーに在籍していた時に、自分でオフショアを使ってオンライン英会話のサービスなどを作ったりしてました。全くうまく行きませんでしたが笑

しかし民泊に関して、母のサポートやビジネスチャンス、シェアリングエコノミーという流れ、投資家とのつながりなどから、可能性を感じていました。

そこで、最初は「Airbnb」の代行や清掃モデルを展開しようと考えました。ベンチマークとして「Homejoy」(アメリカで創業された掃除のプラットホーム)などのサービスも参考にしていました。ただ清掃だけだと労働集約型になり、できる範囲が少ないとも感じていました。

共同創業者はどうやって集めた?

学生時代に参加した日米学生会議で出会った友達と一緒に創業しました。私がゴールドマン・サックスのシンガポールオフィスで彼が東京オフィスと、お互い入った会社が一緒だったんです。

バケーションレンタルが面白いと誘うと、すぐに会社を2週間休んで来てくれました。そしてビジネスモデルを2人で作り東京でスタートして、創業後1〜2カ月後に出資を受けました。

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