「合法民泊を事業の本流に」TAROコーポレーション 児山 秀幸さん

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国内で鎌倉の次に注目している場所は?

いわゆる「観光地」なら、どこにでも注目しています。

具体的には、北海道、京都、大阪、沖縄、福岡あたりは民泊で泊まる方も多いですし、個人的には金沢、広島などにも注目しています。例えば、広島は、外国人に人気のある「厳島神社」「原爆ドーム」「うさぎ島」があります。

あとは、長野県で、猿が入る地獄谷温泉が外国人に人気があるそうで、そのそばの掘っ立て小屋で民泊できないかとか・・・(笑) そういった1点の観光地で安く借りて貸し出すのも可能性があると思いますね。掘り起こせば、きっと様々な需要があります。

 

Facebookで「民泊ビジネス研究会」のイベントなども行っていますがその趣旨は?

民泊に関する全ての人々が集まる場をつくりたいと考えています。「研究会」と名乗っていますが、今年は「交流会」というイメージを考えていて、コミュニティ機能を高めたいと考えています。

民泊ホストはもちろん、不動産関係者、コーディネーター、リノベ業者、中古家具業者、運営代行会社、清掃会社、メディアなど、民泊に関するすべての人々が集まる場所にしていきたいですね。

民泊は単独でやっていても効率が上がりませんし、間違った方向に行くことも有ります。お互いに情報を共有したり、協力したり、助け合うことで、Winwinの関係になろうというコンセプトで運営しています。


(児山さんが行う民泊事業者の交流会にて)

今後、民泊分野でどういったサービスが生まれると思いますか?

最近感じるのは、民泊を行っているマーケットの難易度が素人ではなく玄人に変わってきていることです。以前まで運営代行にまかせて収益をあげることができていましたが、素人が運営代行にまかせても、うまくいかなくなってきています。中には、騙されているケースもあるでしょう。

民泊は、ここ数年急増して競争が激化しています。現在成功する民泊を作るのは、腕が良く、ある一定レベルのプロでなければ難しくなってきているのではないでしょうか。その場合、「立上げ」と「運営」の専門家は必ずしも一致しません。

一定期間で立上げた後に利益が出てきたら、運営は継続せずにすぐに売る「立上げ専門の人」も出てきていますし、不動産投資と同じ感覚で、売りに出た物件を購入し、多数の物件を所有・運営しようという方も出てきています。そうなると、民泊物件の売買が増え、仲介をする人も出てきます。

ある意味、不動産の業界と同じですね。「新築の物件もあれば、中古もある。賃貸があれば、一棟ごともある。」といった形です。

 

今後、民泊を始める人へ向けてのメッセージ

民泊運営は、自分でやってみると、すごく楽しい。

メッセージのやり取りから、鍵渡し、掃除、洗濯まで、実際に運営を自分でやると、大変な部分もありますが、海外の方と交流すると様々な発見があって面白いです。

外国人とのコミュニケーションは、英語が下手でも会話は成り立ちます。実際にやってみて、英語の上手下手よりもコミュニケーションしようというハートが大事だと思いました。

利益を出すことも必要ですが、楽しくないと続かないのも事実です。自分で運営してみると、意外と楽しいので、是非民泊運営の体験をしてもらいたいですね。そして、長い目で見たら、合法でやる方が腰をすえてできますので、メリットが大きいと言えます。

ちなみに、駅前留学と言って、お金を払って英語を勉強する方法も有りますが、ホームステイ型の民泊などは、お金をもらいながら英語を勉強することができます。これも民泊のいい点ですね。

私は「心の鎖国」と呼んでいますが、日本人はまだまだ心の中で鎖国している部分があります。鎖国することで守ってきた物もありますが、携帯や家電がガラパゴス化したり、パソコン、インターネット、スマホなど、大きなプラットフォームを海外の会社に握られてしまうなど、今はそれが貧しくなる要因になっています。

民泊によって、もっと日本の人々の心がオープンになって、経済も活性化するきっかけになると良いと思っています。

編集後記

今回は「民泊革命」での連載、合法民泊「タローズハウス」、「民泊ビジネス研究会」の運営と、幅広く活動する児山さんにお話を伺いました。第二回以降の講義も楽しみです!