「訪日外国人が東京で立ち寄るスタートポイントとなってほしい」清水隆志さん

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立上げで苦労したことは?

民間で外国人旅行者向けのコンシェルジュサービスを提供している事業は他にほとんど例がなく誰かがやっているサービスではないので苦労しました。参考とするベストプラクティスがないのです。サービス開発から、プライシングまで、迷ったり悩んだりすることばかりです。「他がこれくらいの値段でやっているから、それに合わせておこう」という感じになりにくいのです。実際にやってみて上手く行かなくても、問題は値段が適切でないせいなのか、認知不足など他の理由なのか見極めるのが難しい。

さらに、ゲストである訪日外国人は、言語、観覧する媒体、行動習慣、全てが違います。どこにどうやってアプローチし集客すればよいのか、悩むところです。

事業の展望は?

雷コンシェルジュのようなサービスは、市場がまだなく発展途上ですが、需要はかなり大きいと思います。例えば、先日の忍者体験アクティビティでは、参加者はひとり一万円を使っていた。日本人の感覚だと少し高いのではないかと感じる価格でも外国人にとってはそうでもなかったりします。ゲストは実際そういったサービスを求めていますし、対価としてそれだけの金額を支払います。

雷コンシェルジュは、リアルの場オフラインプラットホームとして、他の事業者の方々が、雷コンシェルジュの場所を使っていろいろなサービスを提供してもらえたらいいなと思っています。例えて言うならショッピングモールやフードコートみたいなものです。自分たちだけがコンテンツを提供するのではなく、オープンに開放され、そこで様々な事業者が集まって、それぞれがサービスを提供する。それが雷コンシェルジュ全体としてのサービスの幅を広げ、ゲストやホストの満足度に繋がると思っています。IT業界の言葉を借りてくるなら「オープンリソース」みないな感じでしょうか。雷コンシェルジュはクローズドな場所でなく、開けた場所を目指しています。一緒にサービスを展開したい事業者の方、利用したいホストの方、遠慮なくどんどん連絡して頂き、一緒に場を作っていきましょう!

今後民泊を始める人へのメッセージ

大事なことは、一人で知識やノウハウを独占するのではなく、横のつながりを大切に、ノウハウを共有していくこと。そのためには、他のホスト達とコミュニティを通じて仲良くなることが必要です。横のつながりを大切にして、ノウハウを共有していくことが重要です。

特にこれから始める人は、先輩ホストたちから知識やノウハウを共有してもらうことで、よいスタートダッシュが切れると思います。既に何年も運営経験がある人から共有してもらえる内容は、やはり価値があります。そして、ベテランのホスト方々はノウハウを隠したりせず、丁寧に色々教えてくれる方も多いです。

ベテランホストから色々教えてもらうためには、やはりコミュニティを通じて仲良くなることが必要です。LINE や Facebook でオンラインのコミュニティが複数あります。そういったコミュニティを活用したらいいと思います。

それとは別に「リアルなコミュニティ」も大事になってくるのではないでしょうか。オンラインのコミュニティは、手軽で便利だけど、お互いの顔が見えないし、密なコミュニケーションはFace to Faceでのコミュニケーションが便利。そういったホスト同士のリアルの交流の場所としても、雷コンシェルジュに来て利用してもらえたらと思います。

オンラインとオフラインのコミュニティをそれぞれ使い分け、あるときはオンラインで、あるときはオフラインでという用途に合わせた使い方が良いと思います。オンラインで知り合った人と、オフラインで詳しく話す。そういう形もよいかもしれません。

編集後記 

今回は、民泊ホスト、『自在客(ジザイケ)』顧問、『雷コンシェルジュ』代表と3つの顔を持つ清水隆志 教授に伺いました。民泊ホスト向けではなく訪日外国人向けサービスという切り口から民泊に関わっている視点は非常に勉強になりました。今後の講義も楽しみです!