「日本のバケーションレンタルが本格始動」 HomeAway 日本支社長・木村奈津子さん

予約が入りやすい物件は?

欧米を中心としたホームアウェイのお客様は、ご家族やグループで別荘を借りるというコンセプトに共感して物件を探されている方が多いので、別荘を連想させるような高級感のある、広めの物件のニーズは、日本においても高いと思います。現在、民泊物件は東京などの都市部を中心に比較的狭めのマンション・アパートなどが多いですが、今後もっと広めで高級感のある物件ニーズがホームアウェイの欧米マーケットを中心に高まると思います。

「バケーションレンタルは地方だけではない」

バケーションレンタルといっても地方の物件だけではなく都市部の駅近で、例えば西麻布の豪邸のような、大きい豪華な物件なども含みます。日本人、外国人双方のリゾート旅行先となる沖縄や北海道の別荘ライクな物件も今後揃えていく予定です。

今後ホストが増えても、選ばれる物件とは

インバウンドで予約が入っている物件は、日本人旅行者とは目線が違います。例えば「Tatoo OK Hot spring 5 minutes away」など、物件の周辺施設で物件室内とは直接関係ないことをタイトルに書いている物件に人気があったりします。物件周辺で楽しめる、外国人にささるアトラクションをタイトルに入れて成功した事例の一つではないでしょうか。

他には、室内を着物の帯でデコレーションするなど、完全にインバウンド旅行者向けに振り切っているケースもあったり、ターゲットに合わせて振り切った判断をすることも求められると思います。

「サーチ結果で目に留まるアクセントも有効」

民泊に限らず、Eコマースはサーチ結果でいかに多くのクリックを集めることができるかが、重要です。旅行者が検索結果で多くの物件情報が並ぶ中でクリックする判断基準は主にタイトル、物件写真、価格、レビュー評価です。

まずは前述のようにタイトルで差別化してみたり、鎧かぶとやロボットのあるリビングや居間、大きなぬいぐるみが寝ているベッドなど、目を惹くような写真を使うと同じような写真が並ぶ中で目を惹くことができます。まったく同じ物件でもマーケティング力で閲覧数や売り上げにかなり違いがでてくると思います。

日本市場の将来性

今後の日本のインバウンドマーケットのボリュームを、オリンピックを超えた長期的なスパンで意識しています。今は全世界で日本の観光客数が16位ですが、政府が目標とする6千万人を達成するのであれば、観光客数はトップ10に食い込み、5位程度になります。インバウンドの伸びは必ずしもオリンピックというイベントがあるからではなく、LCCの就航数の増加やビザの緩和、為替などが大きく影響を与えていると考えており、LCCやビザに関しては今後も必ず加速しているはずです。

アジアの中で日本が一番インバウンドマーケットの伸びしろが大きく、成長が期待されている国であることは間違いなく、急増するインバウンド需要に対して単に供給数を増やすだけはなく、様々なニーズに応えられるような多様な形態の宿泊施設を増やすことが必要だと思います。

参入した時期は?

ホームアウェイ株式会社の設立が昨年、本格稼働は今年からになります。Airbnbは2年前から日本市場に切り込んでいかれていたので、先見の明をお持ちだったと思います。ただ、この一年にかけて民泊に関する法律の整備も進んだので、今からでもチャンスはたくさんあると考えています。

木村さんが社長になられて一番最初に着手したことは?

まずはブランド認知ですね。グローバル企業が得意とするところは、もう既に海外のお客さんがたくさんいらっしゃるということです。ですので、我々の強みはインバウンド集客ですが、物件がないと予約が入らないので、とにかくまず物件掲載をするというのが最初のミッションです。しかし、人員も限られるので、PRで認知を上げてより多くの物件のオーナー様に物件掲載先としてホームアウェイを知って頂くことが必要です。そこで、まず認知を上げることが最優先と考えて取り組んでいます。

PR活動は?

まずPR戦略を作りまして、どのようなメッセージを発信すれば一番ホームアウェイを知っていただきたい人々に関心を持っていただけるかを考えます。日本では民泊というと都市部のマンションの一角の貸出し、またはホームスティ型のイメージしかなく、弊社の得意とする別荘レンタルを含む欧米のバケーションレンタルというカテゴリーも認知されていません。民泊サイトでホームアウェイがあるというメッセージだけでは弊社のブランド、サービス内容の価値を理解してもらえないはずです。そのため、ホームアウェイのカテゴリーをきちんと全面に出し、豪華民泊で家族、グループを対象とした丸ごと貸し切りの物件に強いホームアウェイというメッセージを訴求してカテゴリーリーダーのポジションを確立することを目指しています。

そうしたメッセージをより多くの人々に認知していただくために、多くのメディアの方々にもお会いしています。単なる広告掲載ではなくて、記事やニュースとして取り上げて頂いて、Airbnb以外にもアメリカには2強といわれている会社があるんだという認知と、Airbnbと何が違うかということを理解してもらいたいと思います。

EXPOに出店したり、社内で民泊セミナーを開催したりなどしている理由は?

PRのような空中戦でホームアウェイを知っていただくことも必要ですが、それと同時に日本支社のメンバーと実際に対面していただくことで、ホームアウェイのブランドやサービスを知ってもらうことも大事です。ホームアウェイは別荘のオーナー同士の関係から始まったということもあって、カルチャーが一言で言うと「warm and friendly(温かくてフレンドリー)」が特徴で、ホストとの信頼関係を築くことをとても大事にしています。ホストが安心してホームアウェイを使っていただけるように、日本支社のメンバーが直接顔を出して説明・交流できるEXPOやセミナーといったイベントには、積極的に参加しています。

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