【第5回講義】最終版「次世代の起業家とシェアリングエコノミー時代を目指す」国内最大級イベント『民泊EXPO』より

急変するOTA活用の民泊市場
(LCC普及により航空券+宿の両方を予約→後でキャンセルという形へ)

急成長の春秋、ピーチ、Jetstar、バニラエアといったLCCを使うアジアの方々、台湾、香港、バンコク、シンガポールのインバウンドゲストの行動パターンを学ぶ事が必要です。

彼らは、まずLCCのバーゲンキャンペ―ン期間に航空券を購入し(※1)、その直後10分以内に目的地の宿を「Booking.com」などで3か所同時予約し、旅前2週間ぐらいに1か所に絞ります
※1:LCCは自社OTA比率9割で代理店を利用しない

こんな傾向によるFIT(個人手配旅行客)層はすでに1億人が海外旅行をしている中国(まだ訪日は5%の500万人規模)では5割越えで、中国の宿予約サイトはゲスト手数料がゼロ(Airbnbは約10%)。

脱Airbnb傾向で、バックパッカー層がAirbnbのマンション型ターゲットになっている日本の現状。これらをキャンセル無料のホスト労力の追加や、地域での同業態ホステルとの差別化などの考慮要素はありますが、小生の立ち上げた由比ガ浜のビーチハウスホステルでもAirbnb単独からBooking.comの併用で5倍の売り上げ増で、今やAirbnb率は1割になりました。

これらの運用を合法民宿経営者は習得することが必要になります。(私達の物件について)由比ガ浜で徒歩3分に、ヨガスタジオやレストラン&大浴場付きのラグジュアリーなホステルがオープンし、危機を感じましたが、これらOTAを活用することで、差が単価3割、稼働率2割UPの差別化・共生を鎌倉地区の簡易宿所の仲間と図っています。

Jetstar事例

 

 

 

 

 

鎌倉ハウスの状況

 

 

 

 

片道7千円程度

 

 

 

 

宿泊7千円相場で同価格のLCC航空券を同時予約し、その後宿を1か所に絞る。

それに対して2週間前にSUP,ジャグジー、BBQ予約などを事前に支払いをさせるといった合わせ技で他をキャンセルさせて、当方の予約を確定させるなどの調節が必須です。ただしAirbnb単独時に比べ3、4倍の送客効果が得られます。さらに現地ガイドの案内により、1泊単価7千円に対して1日2万円程度のガイド収入が得られます。つまり10名予約で宿泊は近隣比較から7千円、ガイドは価値を認めれば1日2万円。このような民泊から民旅への収入向上が図れます。次の課題は韓国、中国のショートステイ層から欧米のロングステイ層への取り組みが急務です。
※ SUP=stand up paddle board, 立って漕ぐボードのこと

観光立国推進と宿泊業の課題

品川区の半分の面積に5星ホテルが38施設も誕生し、3千万人のインバウンド客を招き、IR戦略で成功したマカオ政府投資局のMICEアドバイザーとして5年ほど経験。やがて来る脱カジノ時代のEXPO支援を担当し、日本館館長などでノンカジノ時代の準備をする観光立国。対して中国、韓国来日が半数を占めショートステイからの脱皮が日本の五輪以降の課題です。以下、デービッド・アトキンソンさんの講演からです。

日本の弱点を「価格の多様性ができていない」。観光収入は五つ星ホテルの数と99.9%の相関関係があり、世界3300軒の五つ星ホテルのうち日本には28軒しかないことを問題視した。

「訪日外国人旅行者の65%は20〜30代です。これは日本の宿泊費が安いからです。一方で40-60代は来ていません。彼らが満足する泊まるところがないからです」

さらに、日本のオモテナシについて「旅館ホテルで『骨董品を買いに行きたい』とスタッフに依頼した客がいました。スタッフは地図を渡しましたが、目当ての骨董品屋は定休日だった…するとその客は猛烈に批判します。これは、旅館ホテルのスタッフは宿泊の責任は負うが、あとは知らないというスタンスが原因です」とし、オモテナシを「自分目線でやるサービス」と両断。客のリクエストにきちんと応えるのが世界基準だとした。

そして、日本経済の73%はサービス業であるにもかかわらず、人件費は世界29位で先進国と言いづらい状況だと指摘。「ルームチャージを上げて、設備投資をし人材を育成する。女性が働く場所としてのニーズはあるはず」。宿を拠点に滞在する観光を定着させ、価格を上げる挑戦をすべきだと訴えた。

(参照)観光立国推進と宿泊業の課題 デービッド・アトキンソンさん講演(1)(2)
http://www.travelnews.co.jp/closeup/report/1706161152.html

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