「個人ホストが語る民泊業界の変遷」スーパーホスト 斎藤 総太郎さん

「民泊大学」の講義が始まります。本日の教授は民泊個人ホストの斎藤 総太郎さんです。斎藤さんは民泊について豊富な経験と知識を活かしてSNS上にて多くの情報を発信されており、多くの民泊ホストから絶大な支持を得ているスーパーホストです。
今回の講義では、斎藤さんの民泊運営に関するノウハウと、長きにわたりAirbnbを活用する民泊ホストの声を代表して最近のAirbnbに対して感じていることについてもお聞きしました。

民泊を始めたきっかけは?

民泊という存在を初めて知ったのは、2015年2月ぐらいにギガジン(IT系のニュースサイト)で民泊の記事を見たのがきっかけです。
その後、2015年の6月にAirbnbのミートアップに参加して情報を収集し準備をして、翌月から実際に運用を開始しました。
物件としては実家である東京三鷹で親が所有していた築50年程の木造アパートアパートです。三鷹駅から徒歩15分程ということもあり、賃貸としても貸せてせいぜい家賃4万円ぐらいの物件だったので空き部屋対策で困っていたのですが、民泊で活用することで毎月平均10万円程で回していました。
運営開始当初は驚くほど予約が入っており思いのほか上手く回すことができたので、複数展開しようと思いました。
知り合いの不動産会社の社長に声をかけて綾瀬、11月には品川という感じで半年ぐらいで三件まで増やして順調に運用できていたのですが、半年程経った2016年5月頃から綾瀬、品川の物件の収益に陰りが見えてたきたので6月に品川の物件を売却しました。
綾瀬の物件はオーナー許可の物件であったが、ゲストがゴミに関するマナー違反できっかけである日保健所がきて撤退に追い込まれました。
物件をどんどん増やしていきたいという気持ちはやまやまだが、冷静に分析すると需給のバランスが急変しているのが明白なので、無理をしてまでリスクを取りに行くべきではないと思い物件を増やす事には慎重に構えている。持続可能性が低ければ事業として成立し得ない為、そこはシビアに見ています。
物件選定のコツとしては、商業地域はある程度ゲストが音を立てても元々騒がしい環境で住民も騒音に対する耐性が有るので、「近隣住民からの通報」というリスクはかなりは下がると思っています。

運用に際して気にかけていることは?

家主不在型の民泊運営で一番良くないことは、集合郵便桶にてのキーボックス利用だと思っています。初めて民泊を利用するゲストからすると使い方がわからないので、近所の人に聞いたり、最悪の場合は管理会社に電話することもあります。
そのリスクを避けるべく、私は逆転の発想で民泊物件の鍵は開けています。掃除が終わったら玄関の鍵をかけず開けっ放しにしておいて、鍵はテーブルの上に置いています。ゲストが帰るときも鍵を開けたままにしてもらいテーブルの上に鍵を置いていてもらうというような手法をとっています。
様々な経験の中から編み出したこの手法ですが、一つだけ問題点があるとすれば同じ建物で民泊している部屋と間違ってゲストが入ってくることがあることです。私が清掃をしていたら一度だけ実際に部屋を間違えたゲストが部屋にきたことがありました(笑)

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