「収益を可視化して民泊ホストをサポートする」サムライ・インターナショナル 岡田 塁さん

「民泊大学」の講義が始まります。

今回の教授は、サムライ・インターナショナル株式会社 代表取締役 岡田 塁さん(グロービスMBA)。Airbnbホスト向け売上管理クラウドサービス「Air Profits(エアプロフィッツ)」を運営しています。いち早くから民泊業界に注目し、ホストの売上が落ちている現状を的確に捉え、収益化ツールを提供する岡田さんに伺いました。

「Air Profits(エアプロフィッツ)」とは

「Air Profits」は、民泊物件を複数運用するホスト様向けに開発したウェブサービスで、Airbnbのメッセージや予約の一元管理、売上・PV・予約率が分かるサービスです。アカウントが分かれていてもログイン・ログアウトすることなく数時間かかる分析や管理作業を数分に短縮することができます。PCとスマホアプリに対応し、2017年3月現在、500事業者以上が利用しています。

http://www.samurai-international.jp/2016/07/air-profits-release/

 

URL: http://pr.airprofits.com/

 

現在の事業を始めたきっかけは?

民泊ホストの参入が増えると同時に収益が落ちていく現状を目にしたからです。

2014年の春、当社のアメリカ人の従業員が小岩の自宅の一室をAirbnbで貸し出しました。

ある時、売上が家賃越えて「これはすごいな」と思ったのがAirbnbとの出会いです。
2015年の終わり頃、多くの人々の民泊に参入が増えてきて、売上が落ちてコストもかかっている現状を目の当たりにしました。シェア型で交流メインで行うのであれば良いのですが、商売としてやっていくのであれば、「データを収集して理由を分析する」ことができるプロフェッショナルなホストしか生き残れない時代に入ったと感じました。

あるホストはAirbnbの管理画面からコピペやCSVダウンロードで取得し、分析をしていましたが、作業効率が悪いし、集計にかなりの時間がかかっていたんです。

皆同じ課題があると思ったし、それならシステムを開発しようと考えました。

事業の立上げについて教えてください

解決したかった課題は「収益の可視化」です。

当時、国内に競合はいませんでした。

まず、売上を予約率とページビューに分解します。そして、どちらに原因があるのかを分析していくツールにしました。

価格戦略は、まず無料で提供して後で課金する「フリーミアムモデル」を想定しました。参考にしたのは 「freee」と「マネーフォワード」。たくさんある銀行口座や証券口座を一つにまとめるという仕組みが、増えがちなAirbnbのアカウントと似ていると思います。

当時このサービスがどれくらい受け入れられるかわからなかったため、どの部分を有料化するのかは決まっていませんでしたが「クリティカルな機能で課金したい」と思っていました。幸いユーザー数も増え、Airbnb以外のチャネル(民泊サイト)にも広げたいというお声が多く、かつ「オーバーブッキング」を防止したいというニーズが強くあったため、サイトコントローラー(チャネルマネージャー)機能でマネタイズを考えました。この有料機能は開発中でもう間もなく提供予定です(2017年3月7日現在)。

競合が現れる中でどう差別化しましたか?

ユーザビリティなど細かい部分を意識しています。

こういったツールは差別化が難しいと感じています。類似した市場の例では、デジタル広告市場の”SSP”というものがあります。これもたくさんの広告チャネルを束ねるのがSSPなのですが、どこのSSPも同じチャネルと繋がっているので、差別化が難しい。
しかし、その中でシェアを取るサービスはありました。それは、ユーザーにとって使いやすいかどうか、細かい部分で差別化がされていたものが勝っていたので、この市場でも同じではないかと考えています。

また、チャネルマネージャーはチャネルの多さが重要です。とはいえ、いきなりたくさんのチャネルにつなぐことは難しいため、ホストが潤う事を第一に考え、良質な予約が入り、供給力が多いチャネルと組んでいくようにしています。

他には、自動返信機能に対応する予定です。