不動産投資のその先―新法の下で問われる民泊の意義 民泊総合研究会代表 阿部ヨシカズさん

「民泊大学」の講義が始まります。今回の教授は、日本国内初の民泊ノウハウ本「副業ビジネスとしても将来有望! インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド」、そして「Q&Aですぐわかる! Airbnbで始める初めての民泊」の著者として知られる、民泊総合研究会代表の阿部ヨシカズさんです。

23歳から民泊業界に足を踏み入れ、以降その実績をもとに多くの不動産オーナーや民泊ホストへアドバイスを提供し、業界の成熟を見守ってきた阿部さんに、国内の民泊の今後の行く末について講義していただきました。

民泊に出会ったきっかけ

大学卒業後、就職1年目に、不動産投資を始めたくて、不動産投資家が集まる場などへ足を運んで勉強していました。

しかし、やはり不動産を購入して投資するとなると、まずは実績が必要で、その実績を積むには年数がかかります。今もサラリーマンを辞めていないのは、この実績の重要さが理由です。当時1年目に私ができる不動産投資といえば、かなり限られていました。

そんな中、お世話になっている一般社団法人日本不動産コミュニティー(J-REC)の理事の方に、吉祥寺のナンバーワン民泊ホストを紹介されました。2013年の秋頃ですかね。民泊を始めたのは、彼に弟子入りしたのがきっかけです。

 

「グレー」への抵抗

たしかに法学部出身者として、法に抵触することにはとても抵抗があったので、最初は入念に調べました。

当時の自分が至った結論は、日本の法律だと、解釈次第で「白」なのか「黒」なのか変わりうるというものでした。行政の言っていることは必ずしも正しいわけでないということに、最初は衝撃を受けたりもして、意外にも法律が規律しきれていない分野がいくらでもあると実感しました。

法律を守らなくていいと思っているわけではありません。ただ、法律というのは、利得を既に有する人たちが決める側にいます。このまま規制化が進んでしまえば、「面白くない決まり」ができてしまうのだろうなと、当初思っていました。

 

問題意識、そしてビジネスチャンスへ

最初は、不動産オーナーの多くは空室があることに困っている点に着目しました。

空室は何も利益を生まないですし、それを利益に変えられるものがあれば、オーナーも協力してくれるだろうという考えをまず軸にしました。民泊総合研究会も、不動産オーナー向けの情報サイトとして作ったのは、それが理由です。

ここでいう空室とは、借り手が付かない物件だけでなく、借り手が付く物件であっても、賃借人が退去して次の賃借人が入るまでに生じる「空室」期間を含めて考えています。このような短い期間でも、機会損失はあるので、Airbnbでの活用を提案しています。

最初は、自ら不動産屋やオーナーのところへ出向いて、民泊の運用を任せてもらうこともありました。100社の不動産屋に当たって、興味を持ってくれたのは10社ぐらいでしたかね。

 

副業としての民泊

民泊は働きながらでもできるものですよ。当時は民泊代行業者がまだあまり多くなく、自分がそれに近いものをしていましたが、例えば掃除などは、業者を手配すればいいだけです。あとは英語が使えれば、オンラインのゲストとのやりとりはどこででもできますし。

初めのうちは、タイムチケットで民泊をされている方々のお話を聞いて参考にしたりもしていました。その頃は、部屋を借りて民泊をしている方が多かったのですが、賃料の負担を負っていてもなお利益が簡単に出ていた時期ですね。私の場合は、オーナーとレベニューシェアの形をとっていたので、賃料や初期費用をあまりかけずに運用することができました。

副業として民泊は勧めたいですが、好みは分かれるかと思います。例えば全部人に任せたい人は、お金を儲けたいだけなのであれば、他に投資方法はいくらでもあると思います。ある程度自分が関わることが好きな人、インバウンドビジネスに関わりたい人など、プラスアルファを求めている人にはお勧めです。

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