「民泊大学」の講義が始まります。今回の教授は、那須裕介さんです。
那須さんは、民泊の草創期から民泊の可能性を見出し、一人京都へ移り住んで訪日外国人との交流を軸に古民家の活用、さらには岐阜の飛騨高山へとそのフィールドを広げています。
民泊を始めたきっかけは?
民泊というサービスを知ったのは、2012年にTechCrunchでAirbnbの記事を見たのがきっかけです。
自分はそれまで輸入業を運営していましたが仕事に社会的価値を感じられず、もっと自分のやりたいこと・楽しいことをしたいという気持ちが強くありました。
もともと日本が好きで、日本の文化を世界に伝えたいという思いもあったので、輸入業を人に譲った後しばらく旅に出ると決めました。
そうすると旅のあいだ当時住んでいた東京の家が空くので、2013年4月からAirbnbで貸し出したのがホストの始まりです。
民泊を始めてAirbnbとの関わりは?
2013年の夏に京都を旅した時「すごく魅力的な街だな」と感じ、この土地を世界の人々に知ってもらいたいと思いました。そこで2014年の1月に京都で物件を買って移り住み、2月から民泊を始めました。
その後7月にAirbnb主催のミートアップに参加して、Airbnb公認の京都民泊グループのオーガナイザーになりました。
Airbnbとの関わりは、オフラインではミートアップを開催し、オンラインではネット上での情報交換をして民泊サービスの向上を図りました。
民泊を始めることに対して不安はなかったか?
不安はありませんでした。
訪日観光客全体の総満足度をあげるのに貢献できれば良いという思いでした。
民泊が盛り上がっていく中で、なぜ民泊物件を増やそうとしなかったのか?
一つは、民泊は誰でも簡単に稼げるのに参入障壁が低かったので、市場は長く続かないと思ったことです。いずれコモディティ化(サービスで差別化できず価格競争に陥る現象)が起きると予想しました。
二つ目は、お金のためではなく自分のやりたいこと――「日本の魅力を世界に伝える」ことに時間を使いたかったからです。