インバウンドの意味は? 日本政府の訪日外国人向け戦略を解説!

インバウンド。最近よく耳にする言葉です。この記事では改めてこの「インバウンド」という言葉の意味を解説していくと同時に、日本政府のインバウンド戦略について解説していきます。

まずこの「インバウンド」という言葉の持つ意味を調べてみましょう。意味と言っても、観光業における「インバウンド」の意味と、ほかの場面で使う「インバウンド」の意味は、完全に同じというわけではありません。

まず英語の意味検索の定番とも言える「英辞郎」で、「インバウンド」という言葉の意味を調べています。ちなみにこの「インバウンド」は英語で「inbound」と書く形容詞です。

実際に英辞郎で意味を調べると、「到着する、入庫の、帰航の、本国行きの」などの訳が意味を示して並びました。ではここ観光業界で使う「インバウンド」の意味を推測してみましょう。

結論から言えば、観光業界で「インバウンド」という言葉を使う場合は、「外国人旅行者を日本国内に誘致する」という意味を持つことになります。実際に日本に来た外国人旅行者による消費活動も「インバウンド消費」などと呼びます。

さてまず「インバウンド」という言葉の意味を理解できたでしょうか。意味さえ分かってしまえば、インバウンドという言葉がテレビで流れても、意味がわからないと言って困ることもなくなるでしょうか。

2016年のインバウンド観光客数(訪日外国人数)2403万人でした。一方で、外国に訪れた日本人数を表すアウトバウンド観光客数(出国日本人数)は1711万人となっています。

つまり観光市場においては、2016年に出国した日本人より、入国した外国人の方が多い状態となっております。貿易統計になぞらえて呼ぶのであれば、「観光客数黒字」といったところです。

この記事では、政府や掲げるインバウンド観光の戦略や広報活動などについて解説していきたいと思います。

「ビジットジャパン事業」が契機に!

さて「インバウンド」という言葉の意味にフォーカスをあて、まず意味を知るところから訪日観光客誘致の説明を初めてきました。では続いて、政府のインドバウンド観光戦略と、戦略ごとの意味を考えていきましょう。

まずこのインバウンド観光が日本全国で進むようになった一つの契機が、2002年6月に政府が発表した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」による「ビジット・ジャパン・キャンペーン」のスタートです。英語で書くと「Visit Japan Campaign」。つまり日本語での意味は「訪日キャンペーン」ということです。

このビジット・ジャパン・キャンペーンは国土交通省が中心となって進めているもので、実質的な発足・スタートは2003年4月でした。

実際に行っている内容としては、外国における日本旅行の広報や日本国内における旅行者向けのインフラの整備などです。

外国における日本旅行の広報活動としては、日本政府観光局(JNTO)が各国で行われる国際旅行フェアにブースを出展して日本の案内マップを配ったり、現地の旅行代理店を集めた日本観光セミナーを開いたりしています。

2003年に日本を訪れた外国人旅行者数は524万人でしたが、2013年には1000万人を超え、2016年は2403万人を記録。政府は2020年の東京オリンピック開催年においては「訪日4000万人」を目標に掲げています。

インバウンド観光の柱としては始まった「ビジット・ジャパン・キャンペーン」。次はこのキャンペーンにおける、インバウンド観光戦略について説明します。