【保存版】民泊のよくあるトラブル33事例とその対策

 空き部屋などを旅行者に有料で貸し出す「民泊」。日本国内でも、大手民泊仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」の登録物件数が1年で1.5倍に増えるなど、盛り上がりを見せています。

 そんな中、民泊運用を行うホスト(事業者)や宿泊するゲスト(宿泊者)、民泊物件の近くに住む住民が、民泊に関連したトラブルに遭遇することも少なくありません。

 本記事では、民泊を実際に運用するホストが遭遇した主なトラブル事例を紹介した上で、まず自分でできる対応策について紹介します。

 また記事の後半では、民間の保険会社などが提供する民泊専用保険やAirbnbのホスト保証、またその請求方法などを紹介します。

 

事例①物が無くなった

 ホスト側が最も遭遇しやすいトラブルの一つが、貸し出している部屋や設備に関するトラブルです。

 これは例えば・・・

 ①部屋の中に飾っていた小物が無くなっていたり・・・

 ②ゲスト用に買い貯めておいた紙コップが無くなっていたり・・・

 ③台所の食器が無くなっていたり・・・

 ④玄関の靴箱に入れていた自分の靴が無くなっていたり・・・

 ⑤バスタオルやスリッパが無くなっていたり・・・

 ⑥貼っていたポスターが破がされていたり・・・

 ⑦ドライヤーが持っていかれていたり・・・

 ⑧貴重品が無くなっていたり・・・

 ⑨いざというときのための薬類が全部無くなっていたり・・・

 ⑩延長コードが持っていかれていたり・・・

 ・・・などというものです。

 

 また、ホームステイ型(家主同居型)で空き部屋を提供しているときなどは、住宅の中のタンスなどに入れてあったホストの貴重品が無くなってしまった、などという事例も耳にします。

 これらのトラブルでホストがよく理解して置かなければならないことは、これらの事例は、ゲストの勘違いによるもの、ゲストの悪意によるもの、さらには自分の勘違いによるもの、ゲストへの注意を促すことが足りなかったことによるもの、などケースによって原因が異なるということです。

 ではそれぞれのケースの対策について紹介していきましょう。

 

対策①ゲスト側の勘違いを防ぐ

 民泊するゲストの中には、ホテルのアメニティ感覚で、部屋の中や浴室に置いてあるものなどを、何気なく持って帰ってしまう人もいるようです。

 もちろんホテルのアメニティでも、持っていって良いものとダメなものがあります。しかし、ホテルに置いてもその区別は細かくされていないのが現状で、民泊においてもそのような問題が起きることは、当然と言えば当然です。

 例えばスリッパ。ホテルや旅館によっては、使い捨てのスリッパを用意している宿泊施設もあり、これは持っていって良いものとされているケースも多いようです。

 では民泊する部屋に置かれているスリッパはどうでしょう? ゲストの中には何気なく使い捨てと勘違いしたり、ホテルに泊まるときの癖で持って行ってしまったりする可能性もあるでしょう。

 つまりここで有効な対策の一つが、持っていったらダメなものをきちんとゲストに伝えることです。伝え方はメールや張り紙、口答などさまざま考えられます。

 こういった「勘違い」「何気なく」によるトラブルは未然の対策が最も重要です。ゲストにとっても、チェックアウト後にこういった勘違いによるホストとのトラブルは、決して後味の良いものではありません。

 何を持っていったらダメなのか、特にホテルのアメニティなどとして「使い捨て」で用意されているものなどについては、きちんと宿泊前に伝えるようにしましょう。

 

対策②犯罪行為を未然に防ぐ

 民泊においても、民泊以外においても、人の所有物を盗むことは窃盗行為で犯罪です。

 残念ながら、こういった窃盗などの犯罪行為を行うゲストかどうか、宿泊させる前に見抜くことは非常に困難で、多くのケースで窃盗被害などが発覚したあとに警察に通報するなど何らかの対応をとらざるを得ません。

 一方で、ゲスト側でできる対策が無い訳ではありません。その一つが貴重品や金目のものを物件内にお置いておかないことです。

 家主同居型(ホームステイ型)では限界があるにしても、例えばゲストが宿泊する日は別な場所に暮らしている家族に預けたり、常に自分の側で管理しておいたりと、用心するに越したことはありません。

 また「抑止力」も重要になってきます。例えば監視カメラを玄関に設置することなどです。

 これらの対策は「おもてなし」とはどこか対極にあるような行為にみえなくもないですが、ビジネスとしてゲストとホストがいる以上、スムーズな民泊営業には欠かせないものとも言えます。

 

対策③「自分の勘違い」も防ぐ

 一つホストとして心に留めて置かなければならないのが、「自分の勘違い」によるトラブル発生を防ぐということです。

 これは例えば、「コップが1つ無くなっている?」「タオルが1枚足りない?」など、自分でもよく考えれば「あれ、どうだったかな?」と思うようなケースです。

 この場合は、ゲストとあとあとトラブルが泥沼化する可能性もあります。なぜかというと、ゲストはコップもタオルも持っていっていないし、貸し手川のホストは勘違いをしているからです。

 これを防ぐ手段の一つとしては、事前に部屋に置いてあるものなどの項目や数を確認し、チェックシートなどに書いておくことです。また写真を撮っておくなどということも良いでしょう。

 またこれらの対策は、ホスト側の勘違いではなく、実際にゲストが何か窃盗行為などを行ってきた際に証拠能力を持つこともあります。

 自分の部屋を管理業者などに任せている場合は、管理業者側ですべてこういった事前の確認をしている場合もありますが、自分で貸す場合にも極力、宿泊者を泊める前の確認をしておくようにしましょう。