東京都中野区がパブリックコメント(意見公募)や委員会審議を経て、民泊ルール案を変更していたことが23日までに分かった。住居専用地域における月曜正午〜金曜正午までの一律禁止を見直し、基準を満たした家主同居型(ホームステイ型)についてはこの期間の実施を認める。
修正された民泊条例案は中野区議会で2月22日に可決し、2月28日に既に公布されている。住宅宿泊事業法(民泊新法)と合わせて6月15日に施行される。家主同居型の平日営業については「許可制」となり、事業者届出を住ませた家主同居型事業者からの許可申請は5月7日から受け付ける予定。
パブリックコメントを経た民泊条例の変更は、東京都世田谷区に続くもの。世田谷区も住居専用地域で月曜正午〜土曜正午まで民泊営業を禁止すると当初の民泊条例案で示していたが、一定条件を満たした場合は制限期間を緩和する条項を追加している。
●住民パブコメ、民泊条例案の内容変える 世田谷区「条件付きで平日OK」盛り込む 22日間で176人269件の意見|民泊大学(2018年3月1日)
中野区は許可審査においては、家主同居型の運営者が①住民登録して3年以上その場所に住んでいること②税金の未納などがないこと③日本語での意思疎通かできること④周辺住民の理解を得ていること—などを基準に置くことを検討している。
④の「周辺住民の理解」について、民泊大学が「何を持って理解されたということか」と質問したところ、「説明会での周知を持って理解とするのか、周辺住民から同意を得ることを求めるのかは現在検討中」と答えた。
中野区は家主同居型の民泊事業者に対する説明会を4月25日に開催する予定。開催時間などについては今後、中野区のホームページや4月上旬に発行・配布される区報で告知する。
民泊新法ガイドラインにおいては、家主同居型と家主不在型を分けて規制を行うことを「適切ではない」としている。法律上、「家主同居型」と「家主不在型+管理業者への委託」を実質的に同レベルに定義しているからだ。
●【解説】民泊新法ガイドライン、必ず知っておきたい35の重要ポイント 管理業務再委託はOK? 受入拒否はNG? 非常用照明は必要? 対面確認は必須?|民泊大学(2017年12月28日)※2ページ目の㉚を参照。
中野区は民泊大学の取材に対し、家主同居型に特例を与える点について「中野区も当初は同居型と不在型を分けずに規制する予定だった」と説明。その上で「地域に根付いた同居型についてはパブコメや委員会審議を経て、基準を満たせば平日も営業できる枠組みに修正した」と語った。法務上の問題がないかも関係部署などに確認したという。