株式会社帝国データバンクが20日に公表した「ホテル・旅館経営業者の実態調査」によると、ホテルや旅館経営を主な事業としている企業(7915社)の 2016年度の収入高合計は、前年度比2.1%増の約4兆9012億万円に達し、過去10年で最も高かった。
帝国データバンクは、訪日観光客の増加に伴って国内のホテル・旅館の稼働率が高くなっていると説明。インバウンド需要に伴う「コト消費」の取り組みを政府が進めていくことや、訪日PR事業などの一層の活発化により、今後も訪日外国人数が堅調に増えていくとの見通しに触れている。
一方で、2018年6月施行予定の「住宅宿泊事業法」(民泊新法)にも触れ、今後は民泊業者との競合がより本格化することも指摘。「民泊が全国で解禁されることで、集客競争は激しさを増すことが懸念されるほか、従業員不足などの問題も解消へのハードルは高い」としている。
同調査によると、回答企業を「増収」「横ばい」「減収」に分類した収入高動向の地域別では、「近畿」が増収の構成比が33.1%と最も高かった。インバウンド消費の伸び率が高かったことが背景にあるとみられる。

企業の事業歴別で増収した企業の構成比を比べると、「事業歴10年未満」が38.2%で最も高く、減収の構成比が最も高かったのは「事業歴100年以上」で27.5%だった。
