【第4回】「適切な販路を増やし、民泊の売上増加する方法」

1.市場の視点からの理由
まず、結論は、都市部や観光地で民泊運営中の皆様は、日本人の市場は捨てましょうということです。訪日外国人の市場だけ狙いましょう。ただ、地方には外国人があまり来ないので、日本人も仕方なく狙いますが、それでも外国人を積極的に狙いましょう。

上記結論に至った理由をご説明します。

私のビジネスの恩師である、早稲田大学の東出教授(https://www.waseda.jp/fcom/wbs/other/1098)は、以前、私に以下の様に言っていました。
—————– 東出教授の発言: 起業家は、伸びてる市場を狙うべき。伸びてる市場は、凡人の起業家でも大成しやすい。一方、どんなに優れた起業家でも、伸びてない市場では大成しにくいことは、古今東西の起業家を対象にした研究で明らかになってる。

民泊業界、ホストの方々は、起業家ばかりでしょう。故に、伸びてる市場を狙いましょう。
日本では、旅行業界は伸びてると言われていますが、どうでしょうか。
観光庁の報道資料を見てみましょう。観光庁の報道資料:http://www.mlit.go.jp/common/001233130.pdf
以下資料抜粋です。

日本人国内延べ旅行者数は6億4,751万人(前年比1.0%増)となり、うち宿泊旅行が3億2,333万人(前年比0.7%減)、日帰り旅行が3億2,418万人(前年比2.8% 増)。

訪日外国人の市場はどうでしょう。資料を見てみましょう。
観光庁資料 http://www.mlit.go.jp/common/001231838.pdf
以下、観光庁の資料の抜粋です。

訪日外国人全体の旅行消費額
【図表1】2018年(平成30年)1-3月期の訪日外国人全体の旅行消費額(速報)は1兆1,343億円と推計され、前年同期(9,680億円)に比べ17.2%増加。中国、韓国などで旅行消費額が前年同期に比べ増加し、全体を押し上げた。 (注)訪日外国人旅行者数は762万人であり、前年同期(654万人)に比べ16.5%増加。

これは四半期の去年との比較の調査ですが、伸び率は17.2%と、日本人の宿泊市場の数値と比べ、急激な市場の伸びです。

日本の経済全体(GDP)の伸び率は、2017年は1.7%、2018は1%の伸び率と考えると、如何に外国人の旅行者の市場が突出して伸びているか、分かります。(出典:日本経済新聞、https://www.nikkei.com/article/DGXLASFK14H2Z_U7A810C1I00000/)

訪日外国人はどこから予約するのか
日本では、Booking.com利用者の6割が訪日外国人です。エクスペディアは8割、Airbnb9割です。(出典:各予約サイトの営業担当への聞き込み)

そして、上記3つ以外のOTAから訪日外国人の予約はほぼない事が、弊社の民泊起業家への聞き込みで明らかになっています。中国人訪日観光客は、Ctripからの予約流入はあります。しかし、私は、Ctripは様々な理由から登録を推奨できません。Ctripをお勧めできない理由は後述しています。

国内OTAの訪日外国人への取り組み
国内旅行予約市場のほぼ全てのシェアを握る、楽天トラベル、じゃらんを、訪日外国人は、全然使いません。(出典:http://www.mlit.go.jp/common/001080039.pdf、各予約サイトの営業担当への聞き込み)

ただ、楽天は、この夏~秋に大型のシステムアップデートを予定していて、Booking.comとそっくりのサイトになり、使い勝手が向上すると、2018/01にお会いした、楽天トラベルの出身者が言っていました。なので、来年には、訪日外国人も楽天を使い始めるかもしれませんが、それは来年、再来年分かる事です。今は、訪日外国人を狙うなら、楽天は無視して良いでしょう。

市場の視点のまとめ:ビジネスで成功したいなら、「とにかく民泊起業家は、Booking.com、Airbnb、エクスペディアで訪日外国人狙い」です。

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