奈良市、旅館業法の改正条例素案でフロント設置基準を緩和 緊急対応や代替設備で設置免除

改正旅館業法が6月15日に施行されるのを前に、奈良市は旅館業法施行条例の改正素案の意見公募(パブリックコメント)を開始した。旅館・ホテルと簡易宿所においては、玄関帳場(フロント)設置の除外規定を新設した。

除外規定の中では「玄関帳場等に代替する機能を有する設備を設けることその他善良の風俗の保持を図るための措置が講じられていること」「緊急時における迅速な対応のための体制が整備されていること」の2点を満たした場合にフロント設置が除外されることが説明されている。

簡易宿所の構造基準などに関する改正では、旅館業における「改正衛生等管理要領」(6月15日施行)などを根拠として、1客室の最低床面積を7㎡以上としていた規定を廃止する内容。一方で1人当たりの床面積については旅館業法施行令(6月15日施行)を根拠に、1人につき一律2.4㎡という従来の規定について、10人未満の場合は1人につき3.3㎡を必要とする。

そのほか住宅宿泊事業法(民泊新法)の内容を根拠として、下記の5点を新設する。

  • 外国人宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置を講じること
  • 営業施設の周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項について説明すること(騒音
    の防止のために配慮すべき事項等)
  • 外国人観光旅客に対しては、外国語を用いて説明すること
  • 周辺地域の住民からの苦情及び問い合わせに適切かつ迅速に対応すること
    宿泊者名簿の正確な記載を確保するための措置及び外国人宿泊者の快適性及び利便性の確保を図
    るために必要な措置に必要な機器等を有すること
  • 市長の求めに応じ、宿泊者数その他の事項について報告すること

また奈良市の民泊条例を根拠として、下記の2点を新設する。

  • 営業者に関する情報をインターネット等により公表するものとする
  • 周辺地域の住民からの苦情及び問合せに適切かつ迅速に対応できること

意見公募する条例案の詳しい内容は「奈良市旅館業法施行条例の一部を改正する条例案の概要」を参照。意見募集期間は5月10日から5月23日まで。