【速報】Airbnb、予約の強制削除開始 未届け民泊物件対象 ゲストをJTB支援

民泊仲介世界大手のAirbnbは6月7日夜、サイト上で登録番号などを入力していないリスティングの既存予約の削除作業を開始した。

Airbnbは7日夜、Airbnbのホストに対してメールを送信し、いますぐ民泊新法などの届け出番号などを入力していない場合、住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行される6月15日から19日までの予約をキャンセルすると通知した。申請中の場合でも予約はキャンセルされるものとみられる。

Airbnbは6月1日、観光庁からの通知に伴い、届出番号を入力していないリスティングを非公開にする措置を取った。しかし民泊の予約自体は削除しておらず、管理画面から将来の予約内容なども確認できた。Airbnbの日本国内の公開リスティングは6月7日現在、5月の5万8000件程度から3500件程度にまで減少している。

ホストに対しては「今後、ゲストの方から既存の予約について問い合わせがあるかもしれません」として上で、「もしゲストを迎え入れることが難しい場合、ゲストの方に予約のキャンセルを行なっていただくようお伝えください」としている。

また「現在、直近で予定されている日本への旅行に、不安を抱えていらっしゃるゲストが多くいらしゃいます」とした上で、「ゲストの方々に少しでも安心していただけるよう、例えば、予約できる近隣の代替宿泊施設や、ボランティアとして提供できるお部屋があることなどを、予約のキャンセルをされたゲストの方にお伝え下さい」とコメントを添えている。また「なお、リスティングをボランティアで提供する場合、名目を問わず、一切の対価を受け取ってはなりません」と説明している。

Airbnbはまた、ゲストに対してはキャンセルとなった分は満額を返金すると発表した。さらに予約金額の2倍に相当するクーポン(今後1年間有効)も贈る。さらに上限が100ドルまでのAirbnb Experienceに利用可能なクーポンも発行する。Airbnbは「ご返金とクーポンの発行は本日より数日以内に完了いたします」としている。

またゲストに対しては、旅行大手JTBが代替の宿泊施設確保をサポートする。Airbnbは「ご希望の宿泊施設がAirbnbで見つからなかった場合は、日本の旅行最大手であるJTB様が代替の宿泊施設確保のお手伝いをして下さいます。 JTB様のサイトよりご案内が可能です」としている。

下記はAirbnbから6月7日夜にホストに届いたメール。

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【件名】

重要なお知らせ:2018年6月15日から2018年6月19日までの予約がキャンセルされないよう、リスティングを更新してください。

【本文】

住宅宿泊事業法に関わる最新の状況、ならびに、ホスト様のリスティングおよび確定済みの予約への影響について、以下の通りお知らせいたします。

すべての日本のホストための住宅宿泊事業法
2018年6月15日より住宅宿泊事業法が施行されます。 同年6月1日、国土交通省観光庁観光産業課長通知が、Airbnbを含む各住宅宿泊仲介事業者に急遽一斉に発出されました。同通知によれば、届出番号、あるいはその他のホスティングをするための正当な理由(許認可等)がないホストの方は、既に確定済みの予約であってもゲストの受け入れが許されない旨が通知されています。

本通知に基づき、ホストダッシュボードへの届出番号あるいはその他の許認可等の記入が今すぐ完了しない場合、2018年6月15日から2018年6月19日間にチェックイン予定の既存の予約が一律にキャンセルされます。

6月15日を目指して届出番号取得をすすめている方が多くいらっしゃるなか、ご不便をお掛けし申し訳ございません。ホストの皆様へは、引き続き、届出手続きのサポートをご提供いたします。

ゲストへの影響は?

今後、ゲストの方から既存の予約について問い合わせがあるかもしれません。もしゲストを迎え入れることが難しい場合、ゲストの方に予約のキャンセルを行なっていただくようお伝えください。ゲストからキャンセルいただく場合、ゲストに対しペナルティやキャンセル料は一切発生しません。

ホストの皆様のおかげで、世界中から日本を訪れるゲストの方々が滞在が、とても快適なものになっています。現在、直近で予定されている日本への旅行に、不安を抱えていらっしゃるゲストが多くいらしゃいます。ゲストの方々に少しでも安心していただけるよう、例えば、予約できる近隣の代替宿泊施設や、ボランティアとして提供できるお部屋があることなどを、予約のキャンセルをされたゲストの方にお伝え下さい。なお、リスティングをボランティアで提供する場合、名目を問わず、一切の対価を受け取ってはなりません。

ホストの皆様とわたしたちが一緒にできること
Airbnbは、ホストの皆様が届出手続が遅滞なく完了するよう、いままで以上に日本政府に対して強く要請して参ります。本件に関しての進捗があれば、可能な限り情報共有をさせていただきます。

この予期せぬキャンセルの影響を受けるゲストの皆様にも、Airbnbより本件についてお知らせし、ご返金やクーポンの発行を通して、真摯に対応させていただく所存です。
既に届出番号あるいはその他の許認可をお持ちである場合は、リスティングページに記入の上、ダッシュボードにて再掲載すると、ただちに、新しい予約の受け入れができるようになります。

届出番号が未取得である場合には、できるだけ早く届出の申請を開始されることを改めてお願いします。届出番号を取得した後、リスティングページへご記入いただくことで、新規に予約の受け入れが可能となります。

リスティングを更新する
多大なご心配およびご不便をおかけしますことを、重ねて陳謝申し上げます。観光庁の通知に基づいた措置ではございますが、事態の早急な収拾に向け、引き続き、真摯に取り組んでまいります。

Airbnb Ireland UC Team

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その後、キャンセルとなった予約のゲストにAirbnbから届いたメールは下記の通り。

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日本でのご旅行を予定されているゲストの皆様に、重要なお知らせがあります。既に確定されていたお客様の●のご予約がキャンセルされました。ご旅行の日程が近づいている中で、突然このような形でのお知らせとなり、心よりお詫び申し上げます。

以下、ご返金やクーポンの発行など、代替宿泊施設を検討する上でお客様のお役に立つ情報をご説明いたします。

満額返金とクーポンの発行について
お客様の変更手続きを可能な限りサポートさせていただきます。Airbnbとして、まず、満額をご返金いたします。さらに、 予約金額の2倍に相当するクーポンをお送りいたします。このクーポンは、今後1年間ご利用いただけます。

併せて、上限が100ドルまでの Airbnb Experienceにご利用いただけるクーポンも発行させていただきます。

ご返金とクーポンの発行は本日より数日以内に完了いたします。

予約がキャンセルされた理由および背景
2018年6月15日より、日本では住宅宿泊事業法が施行されます。同法を遵守するため、ホストの方々は、リスティングを地方自治体に届け出て、6月15日までにリスティングページに届出番号あるいは旅館業の許可などの許認可等を記入する必要があります。

2018年6月1日、届出番号、あるいはその他のホスティングをするための正当な理由(許認可等)がないホストの方は、既に確定済みの予約であってもゲストの受け入れが許されない旨、日本政府より各社へ急遽一斉にご指示がありました。お客様が2018-06-16にご予約されていたリスティングは、適切な許認可等が未記入となっています。

6月15日を目指して届出番号取得をすすめている方が多くいらっしゃるなか、苦渋の判断ではございますが、お客様のご旅行の日程が近づいているため、お客様が代替宿泊施設を早急に確保できるようにすることを最優先するために、今回のご予約をAirbnbにてキャンセルをさせていただく運びとなりました。

新しい宿泊施設を探すために
ご希望の宿泊施設がAirbnbで見つからなかった場合は、日本の旅行最大手であるJTB様が代替の宿泊施設確保のお手伝いをして下さいます。 JTB様のサイトよりご案内が可能です。

わたしたちができること
この度のキャンセルが原因となりお客様がご負担になられた費用(例:渡航費) を補填するための、Airbnbとして基金を設立いたしました。

専門のチームが24時間体制でお客様のサポートをさせていただきます。ご不明な点がございましたら、japanguestsupport@airbnb.comまでご連絡ください。

多大なご心配およびご不便をおかけしますことを、皆様に陳謝申し上げます。観光庁の通知に基づいた措置ではございますが、事態の早急な収拾に向け、引き続き真摯に取り組んでまいります。

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日本国内では6月7日時点で民泊を営むには、旅館業法における簡易宿所、特区民泊、イベント民泊、農家民宿などの枠組みがある。民泊新法は6月15日から民泊を解禁するもので、ホストからの3月15日からの事前届出の受け付けを開始していた。