
住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行された6月15日、届出件数が全国の自治体で最も多い北海道札幌市の秋元克広市長は、札幌で外国人ゲストなどを受け入れている民泊ホストなど4人と意見交換を行った。意見交換は札幌市役所の市長室で約30分にわたって行われた。
札幌の観光振興に民泊をどう活かしていくかや、ホームステイ型民泊の魅力、無人型民泊の安全・安心への取り組みなどについて話し合いが行われた。秋元市長は「十把一絡げに民泊を『悪』とするのではなく、良い取り組みはより伸ばしていけるよう、札幌市としても取り組んでいきたい」と笑顔で語った。
また畳で寝ることや近所のお祭りに行くことなど、日本人以上に外国人観光客が日本の良さを楽しんでいることもある状況や、日本を訪れる外国人が増える中で札幌市民も海外の人に慣れていくために、民泊を活かせないか、などについても話し合われた。
また秋元市長から札幌市の民泊事業者の届け出状況について説明があった。
資料によれば、民泊事業者が札幌市に届け出た件数は544件で、そのうち337件が6月15日時点で受理済みとなっている。秋元市長によると、そのうちの約4分の1にあたる130件ほどが民泊同居型(ホームステイ型)。相談件数は延べ1450件に上っているという。

意見交換には、北海道民泊観光協会の南邦彦代表理事と札幌市内でホームステイ型民泊を営む秋山優子さんと石川まり子さん、民泊清掃マッチングソフトの開発などを手掛ける株式会社イクセス(本社:札幌市)の新開乙音社長が参加した。
■外国人宿泊者が5年連続で過去最多を更新
民泊新法の施行で、全国的に民泊新法下での公認民泊の営業が一斉にスタートした。これまで民泊を営むために必要だった特区民泊や旅館業法における簡易宿所などの枠組みに、民泊新法が新たに選択肢として加わった形となる。
Airbnbなどが火付け役となり、日本でも札幌でも広がった民泊。札幌を訪れる外国人の宿泊者数は2016年度は前年比9.2%増の約209万3000人に上り、5年連続で過去最多を更新した。民泊という宿泊の選択肢の人気が高まる中、全国的にみても民泊が盛んな札幌市の状況に今後も注目していきたい。