「民食」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 訪日外国人などの旅行者に食事を振る舞うサービスのことで、日本国内で徐々に「料理ホスト」が増えている。この新たな潮流の仕掛け人がZAZA株式会社の代表取締役、永津豪氏だ。
永津氏は2017年7月、名古屋大学大学院に所属しながら友人と同社を立ち上げ、「日本の家庭の食卓で交流したい訪日旅行客」と「家庭料理を訪日旅行客に振る舞いたい日本人ホスト」を結ぶマッチングプラットフォームサービス「airKitchen」を立ち上げた。
このairKitchenは、中部地区の学生を対象としたビジネスプランコンテスト「第15回キャンパスベンチャーグランプリ(CVG)中部」で大賞を受賞した実績がある。
公式サイトに掲載されているプロフィールによると、永津氏は千葉県出身。生後3カ月で父の仕事で渡米し、幼少期をサンフランシスコで過ごしたという。名古屋大学3年次のときに先端技術の研究で注目されている英ウォーリック大に留学を経験し、ビジネスを専門に学んだ。
留学中や帰国後に各国を旅行し、友人の実家で友人の母親などに作ってもらった家庭料理を食べたことなどが、airKitchenの構想に結びついたという。ちなみに旅が大好きで、これまでに20カ国以上を訪れたという。
同社は「6月15日に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、その厳格な規制を理由にサービス継続を諦める民泊オーナーが増えている」と指摘。その上で「このような背景を受け、民泊とは異なり日本人家庭で旅行者に食事を振る舞うサービス(いわゆる民食)が民泊オーナーの受け皿としてユーザー数を増やしている」とも分析している。
民泊新法も追い風にユーザーを増やしているairKichen。今後の永津氏のさらなる活躍に注目が集まる。