東京都大田区は16日、住宅の空き部屋などを旅行者などに有料に貸し出す「特区民泊」を活用し、子どもなどの手術の付き添いで家族が病院の近くに滞在する際、低価格で宿泊できる仕組みを導入するプランを発表した。NHKや日本経済新聞が報じた。
大田区は今月30日にも、東邦大学と公認⺠泊サイト「STAY JAPAN」などを運営する「とまれる」(本社:東京都千代田区)と連携・協力の協定を結ぶ予定。
まず始めに、大田区内にある東邦大学医療センター大森病院で腎移植手術などを受ける子どもなどの家族を対象としてスタートする。「とまれる」が大田区公認の特区民泊物件を確保・紹介する。
旅館業法の特例を認める規制緩和施策「国家戦略特区」に指定されている大田区では、全国で先駆けて2015年12月に民泊関連条例を制定。大田区は翌年2016年1月29日に民泊事業者受付を開始し、3月16日現在では32施設が特区民泊認定を受けている。
大田区の特区民泊は全国に先駆けた民泊の取り組みとして注目を受けたが、一方で、大田区内での特区民泊物件への宿泊については「6泊7日以上」という条件があることから、大田区はこの特区民泊の新たな需要の掘り起こしに力を入れている。
一方で、東京などをはじめとした都市圏や観光地では、訪日外国人客が増えていることでホテルなどの宿泊予約がとりにくい状態が近年続いている。こうした中、患者家族の滞在費負担は年々大きくなっていた。
そこで大田区は、特区民泊需要の掘り起こしと入院患者家族へのサポートを結び付け、今回の特区民泊を両方の課題解決に活用。大田区は特区民泊の普及と社会福祉環境の向上にともにつなげていきたい考えだ。
特区民泊に取り組む大田区
大田区は「大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」という名称で、全国で初の特区民泊の実施を続けている。
大田区ホームページ – 特区民泊について https://www.city.ota.tokyo.jp/kuseijoho/kokkasenryakutokku/ota_tokkuminpaku.html
訪日外国人客が増加を続ける中、大田区は、東京などを訪れる外国人旅行者を積極的に特区民泊で受け入れ、大田区の活性化を実現したいねらいがある。
そのほか、大田区内に滞在する人が特区民泊などを通じて増えることで、地域経済の消費喚起やこれに伴う所得・税収増のほか、新たなビジネスの誕生や雇用の創出につなげることも目的の一つ。
特区民泊の最前線として注目を浴びる大田区。民泊大学は 東京の民泊事情 特区民泊の最前線「大田区」は今 の記事の中でも大田区の特区民泊について解説しているので、読んでみてほしい。