6000年経て鍵2.0時代へ ヒルトンが全室で電子鍵導入 ブロックチェーン・ITと並ぶイノベーション…スタートアップよ、資金調達を急げ

鍵の歴史は古い。古代エジプト文明の紀元前4000年ごろ、即ち今から6000年以上前に誕生したと言われており、言わずもがな、その鍵は物理的な物体で、現代に続く錠前よりは極めて簡易な作りだったものの、根本的な原理は何も変わっていない。

しかし今、解錠の歴史にパラダイムシフトが起きている。「物理鍵」から「電子鍵」へ——。近年、民泊や会議室のシェアサービスで普及が進みつつあったが、来年、この鍵2.0時代を決定的に象徴づける出来事が起こることが分かった。

その出来事の舞台は、ホテル業界の名門ヒルトンだ。2019年までに日本の全客室にスマートフォンによる解錠システムを導入し終え、物理鍵と事実上決別するようだ。超名門のこの動きに、ほかのホテルも将来的に追随していく可能性が高い。

電子鍵が普及することで、従来必要だった鍵を物理的に受け渡す手間が無くなり、紛失による鍵穴の交換なども必要なくなる。都度、デジタルキー(電子暗号)を変えることで、第三者の不正利用を防ぐことができるメリットもある。

今の時代を生きるぼくらは、鍵の歴史が変わるこの時代における目撃者になる。