安倍晋三首相は11月19日、総理大臣官邸で開かれた第40回規制改革推進会議に出席し、規制改革推進会議がまとめた規制改革推進に関する第4次答申を受け取った。第4次答申には、今年6月15日に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出手続きの負担軽減についても盛り込まれた。
答申では民泊届出手続きについて、観光庁が構築した「民泊制度運営システム」を活用した場合でも手続きがオンラインで完結しないことや、消防法や水質汚濁防止法、廃棄物の処理や清掃に関する法律などの手続きが煩雑になっていることなどを指摘し、見直しを求めた。
その上で、実施事項として挙げたのは次の5点。このうちaは「2019年度措置」、bとcは「2018年度の検討、早期に結論」、dとeは「2018年度措置」としている。
- 民泊制度運営システムについて、ユーザー目線に立った利便性の高いシステムとなるよう、法令に基づき事業者が求められる対応についてのガイドライン機能を備える等の改修措置を講ずる。
- 民泊制度運営システムにより行われる事業届出については、電子証明書による本人確認が必要とされているが、届出制とされている趣旨にかんがみ、政府全体の方針も踏まえた上で、より簡易な方法の導入を検討する。
- 水質汚濁防止法に基づく特定施設の届出、下水道法に基づく使用開始時期の届出等について、一定の規模・態様のサービスについては要しないこととする方向で検討する。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき行うこととされる民泊サービスの遂行に伴い発生するゴミの処理については、より負担感なく適法な対応が可能となる方法を明らかにし、その普及を図る。
- 上記 c,d の実施に際し、観光庁は、民泊サービスの適法な遂行に必要な手続法令を所管する府省に対し、積極的に働きかけを行い、その実現を図る。
届出手続きの負担軽減は、第四次産業革命のイノベーション・革新的ビジネスを促す規制・制度の改革案の中で、電子政府の推進による事業者負担の軽減に向けた取り組みの一つとしてまとめられたもの。
安倍首相は第4次答申を大田弘子議長から受け取り、「規制改革こそ、新しい時代を切り拓いていく成長のメインエンジンであります。安倍内閣の成長戦略の中核と言ってもいいと思う」と語った上で、「答申で示された提案に対しては、次期通常国会で法案を提出するなど、必要な措置を行い、速やかに改革を実行に移してまいります」としている。