毎月定額で世界中住み放題…謎多きプロジェクトの全貌を紐解く 支援殺到、3日で目標額2.5倍の500万円超資金調達 長崎のスタートアップ

毎月定額で世界中住み放題——。クラウドファンディング「マクアケ」で資金集めをしている「HafH」に目標額200万円を大幅に超える500万円超の支援がわずか3日で集まった。知った人を熱狂させるこの謎めいたプロジェクトの全貌を紐解いていこう。

資金集めをしているのは株式会社KabuK Styleだ。2018年3月設立の創業間もないスタートアップで、本社を長崎県長崎市に構える。資本金と資本準備金合わせた額は既に1億8500万円に達しており、住宅宿泊(民泊)管理業者登録も済ませている。

HafHは、光熱費やネット費用、敷金・礼金、保証金などを含めて定額で世界のどこででも済めるという新たな住居サービスのアイデアだ。「働く場所付き」というのも特徴の一つとなっている。どういうことか?

本社がある長崎で来年1月に開業する1号店について知ると、その意味が分かる。1号店では1階にカフェ、2階にコワーキングスペースと観光客用ドミトリー、3階にシェアハウスを備えているため、そこに住みつつ、働く場所にもできるというわけだ。

同社は既に福岡や大阪、東京、横浜に国内4カ所、クアラルンプール(マレーシア)とハノイ(ベトナム)の海外2カ所に新拠点を開設する計画を進めており、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域や中国、台湾、韓国、インドなどにも早期に利用施設を増やしていくという。

利用メニューは3種類。「いつもハフ」は専用ベッド付きの住み放題プランで月額8万2000円、「ときどきハフ」は毎月10日以内なら空きベッドに泊まり放題で3万2000円、「はたらくハフ」はすべてのハフで働き放題で1万2000円となっている。長期契約ではなく、1カ月契約から利用できることも特徴とされている。

株式会社KabuK Styleの最高経営責任者(CEO)は2人。元外資系投資銀行家のKJ氏こと砂田憲治氏と、大手広告代理店でのマーケティング・PR担当経験があるRyo氏こと大瀬良亮氏だ。同社によれば、500万円超の支援はわずか3日で100人以上から集まった。11月25日時点の募集の残り期間は45日。恐らくまだまだ支援は増えていきそうだ。

「Home away from Home(第2のふるさと)」の頭文字をつなげた言葉である「HafH」。本社や1号店の場所に選んだ長崎にはかつて、世界中から、日本中から人が集まっていた「出島」があった。そして長崎に新たな風土を生み出した。「風土をもう一度復活させたい」。同社はクラウドファンディングの公式ページでこんなメッセージを送る。

既に多くの人を熱狂させているHafH。この取り組みはどこまで広がるのか。その今後に注目していきたい。