住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく事業者届出を東京都中央区の担当者が違法に受理しなかったなどとして、民泊事業を営む東京都の40代男性が12月18日までに、同区に計136万円の国家賠償を求めて東京地方裁判所に提訴した。
訴状によると、男性は民泊新法に定められた要件を満たした届出申請書と添付書類を区に提出していたにも関わらず、中央区の担当者はその届出を受理しなかった。担当者はその理由として、要件として定められていない事項にも言及していたという。
訴状では、行政手続法では要件を満たしている場合には必要書類を提出した時点で届出は受理されると規定されていることにも言及。「形式上の要件以外の要件を持ち出して受理をしない運用をすることは本来法律で認められていない」と指摘している。
また訴状では、民泊新法で認められている年間180日間の民泊提供行為が、営業日を土日に限定する同区の民泊条例によって合計76日間侵害されていることについて、違法性を指摘。このことによって、法律上保護される利益の存在が侵害されたことについても言及している。
損害額の136万円は慰謝料10万円と逸失利益126万円で構成。逸失利益は1泊当たりの利益を平均2万円として、事業活動をできていない3カ月間、想定稼働率が70%と想定して算出している。
東京地裁に提訴した40代男性は民泊大学の取材に対し、「(勝訴によって)公正公平な住宅宿泊事業届出の手順を確立することにつながれば」と語っている。中央区は「係争の最中なのでコメントは一切差し控えさせて頂く」としている。
第1回口頭弁論は2019年1月15日の予定。