住宅宿泊事業法(民泊新法)における民泊事業者届出の東京都中央区の不受理に関し、管理業者として運用代行業を営む東京都の40代男性が同区を提訴した。観光庁も自治体の届出受理などに関する不適切運用を問題視する中、個人ホストが全国で初めて行政機関を提訴した事例として、裁判の行方に注目が集まる。
民泊大学は中央区を提訴した40代男性に独占取材した。なぜ提訴に踏み切ったのか、そして中央区のどのような対応を問題視しているのか。来年1月にも始まる第1回口頭弁論を前に、詳細を答えてもらった。
提訴に関するニュースについては「【独占】全国初、民泊届出不受理で提訴 東京都の40代男性、中央区に136万円賠償請求 土日限定条例の違法性も指摘」の記事も参考にしてほしい。
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Q 訴訟に至るきっかけは?
提訴以前に観光庁など関係各所を巻き込んで調整しましたが、中央区だけ話し合いにも応じず、訴訟で第三者の判断を仰ぐ以外の選択肢しかなくなりました。また、だれかがこの行政運営に正義の判断を下さないといけないとも感じました。当方の利益とは関係ありません。他の自治体の対応と比べて明らかに異常で悪質であり、行政の長(区長)と担当職員には説明責任があります。大いなる権力には責任が伴うということを分からせないといけません。
中央区職員について、こういう人たちが行政運営の実務を担っているのだということに衝撃を受けました。行政手続きこそ感情のないソフトウェアかAI(人工知能)にやらせるべきですね。人間にはこういう感情や既得権、圧力などがあるから不正につながるのでしょう。
要は法律で決まった以上、すべての関係者(国交省、観光庁、自治体、保健所、消防局、仲介事業者、管理事業者、住宅宿泊事業者など)が公平・公正に(届出をする人のことを)扱ってほしいということ、手続きの透明性を確保してほしいということです。
Q 勝訴することによって何を成したいのか?
一言で言うと、公正公平な住宅宿泊事業届出の手順を確立することです。損害賠償や届出の有効・無効は私たちにとっては経済的にもちろん影響がありますが、それは小さな問題です。
Q 民泊に対する今の取り組み状況を教えてください。
民泊新法施行前は累計で300件くらい、常時200件くらい、民泊新法施行後は70件くらいになり、今は100件くらいです。会社の1事業部の1事業として取り組んでいます。
Q 届出の不受理による会社への影響は?
営業妨害されたことで、家賃や経費の支払いなどに影響があります。また運営代行業者として、この部屋の大元のスポンサー(投資家)には多大な損害の影響があります。