【旅館業法】京都市の条例改正による簡易宿所でも「24時間常駐義務」2020年3月末までの措置期限じわじわ近づく 宿泊税に続き重くのしかかる管理コスト

2018年6月15日の改正旅館業法の施行に合わせ、京都市では同法に関わる条例が改正・施行され、結果的に簡易宿所を含む全ての旅館業施設に人の駐在の義務(駐在場所が施設内か施設外かついては後述)が課せられることになった。

2020年3月31日までは移行期間として経過措置の適用を受けることが可能だが、同年4月1日以降は確実な措置が求められ、京都市の対象施設ではいま早急な対応策の実施が求められている。

具体的には条例に改正によって、旅館業施設に人を宿泊させている期間は、使用人などをいずれかの場所に駐在させなければならなくなった。つまり簡易宿所であっても、フロントに管理者を24時間365日常駐させなければならないことになる。駐在させる場所は玄関帳場を設置する場所などによって下記の3通りに分かれる。

①施設内に玄関帳場を設置する場合:施設内部に駐在する
②施設外に玄関帳場を設置する場合:施設外の玄関帳場か宿泊施設まで10分以内で到着することができる場所(おおむね800メートル以内)に駐在する
③京町家の場合:宿泊施設まで10分以内で到着することができる場所(おおむね800メートル以内)に駐在する

マンション型で簡易宿所の許可を得て民泊営業をしている事業者の場合、②の適用を目指しているケースも多いと思われる。

京都市は②の適用が可能なのは「小規模宿泊施設」(京都市は「9人以下で構成される1組の宿泊者に、施設の全てを利用させる簡易宿所」と付記説明)であり、かつ電話機やビデオカメラ、鍵などの構造設備があることが条件とされている。

2018年10月より施行された宿泊税条例では、税率が宿泊費用2万円以下で200円となるなど、小規模宿泊施設にとっては非常に厳しい内容となっている。宿泊料金が仮に1000円でも200円の宿泊税がかかるからだ。これに加え、管理者常駐への変更により小規模宿泊施設運営者には戸惑いの声が広がっている。

条例に定められた措置期限まではあとおよそ1年。じわじわと措置期限が近づいている。

京都市議会が宿泊税条例を可決 来年10月めどに導入予定 民泊含む宿泊料金2万円未満では一律200円徴収