【観光庁公式見解】チェックイン端末の室内設置、「明確に許容」との回答 入室後のチェックイン 旅館業法や特区民泊への波及に期待の声も

タブレットなどのチェックイン端末は屋外に設置しなければならないのか、それとも室内に置いても良いのか——。つまり、入室前にチェックイン作業をすべきなのか、入室後でも良いのか——。住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行後、この点が議論されることは少なくなかった。

屋外にはチェックイン端末を置くスペースが無いケースも多く、また仮にスペースがあったとしても、盗難対策や水濡れによる故障などの管理コストがかかるため、室外を避けたがるホストが多くいるからだ。

そこで民泊大学はこの点について観光庁に話を聞いた。

■観光庁「(室内への設置は)ガイドライン上明確に許容」

民泊大学がこの点について観光庁に取材したところ、「室内へのタブレット設置については、ガイドライン上明確に許容しています」という回答があった。つまり室内にチェックイン端末を置いても良いということだ。

その根拠としては、「ガイドラインの2-2(4)『宿泊者名簿の備え付け』①で、『宿泊者行為の開始までに、宿泊者それぞれについて本人確認を行う必要がある』としており、具体的な方法の例として、『届出住宅等に備え付けテレビ電話やタブレット端末等による方法』を挙げている」ことだという。

住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)
https://www.mlit.go.jp/common/001215784.pdf

ただし「タブレットによる本人確認は入室後速やかに行われることが前提」(観光庁)としており、チェックイン業務を行わないゲストが出てしまう懸念については、下記の通りの回答があった。

管理業者として宿泊者の入室・又は鍵の取得確認後しばらくしてもチェックインが行われていない場合には、すみやかに宿泊者に連絡をとり、チェックイン(本人確認)を求める必要があります。

これについては、ガイドライン3-1の(7)② で管理業者の体制整備の項のところで、ICT等を用いて遠隔で業務を行う予定の場合には宿泊者と確実に連絡が取れる体制を求めていますので、管理業の登録にあたってその点をあわせて担保している、との認識です。

そのほか観光庁側は、パスポートにある写真と本人が違う場合は警察へ連絡してほしいということにも触れた。

■旅館業法や特区民泊への適用は!?

観光庁の回答は、あくまで住宅宿泊事業法(民泊新法)が適用された宿泊施設の運用に関することであるが、宿泊施設に適用される法律はほかにも「旅館業法」や国家戦略特区における旅館業法の特例制度、通称「特区民泊」がある。最近では旅館業法が改正されたこともあり、同法を適用して運営されている民泊も少なくない。

旅館業法は厚生労働省庁の管轄であるが、住宅宿泊事業法施行要領(通称:民泊新法のガイドライン)の作成には厚生労働省も関わっていると記載されている。ホステルやゲストハウスなどの小規模な宿泊施設、レジデンスタイプのホテルも増えており、フロントの省人化が非常に注目されており、前回と今回の観光庁の回答を受け、旅館業法や特区民泊にも民泊新法同様の運用が適用されるかどうか注目される。

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