旅行大手のJTBは12月23日までに、2020年の旅行市場の見通しを発表した。訪日外国人旅行者数は2019年通年の推計値から7.9%増となる3430万人となる見込みだという。JTBの見通し通りだと、政府が目標と掲げる「2020年4000万人」の訪日観光客目標には届かないことになる。
来年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されるが、ただインバウンドのことを考えると決して追い風がビュンビュン吹く1年にはならないようだ。
報道発表では、東京オリンピック・パラリンピックの開催によって訪日観光客の増加が期待されるものの、ラグビーワールドカップのように長期間にわたって全国各地で開催されるわけではないことから、「爆発的な増加は考えにくいのが現状」と説明している。また世界景気の減速で訪日観光客が減る可能性もあるとした。
またオリンピックの開催に伴う首都圏の宿泊料金の高騰や公共交通の混雑が予想されることから、観戦以外を目的とした訪日旅行を控える外国人も多いと考えられることをJTBは指摘している。
ただJTBの見通しでは韓国からの訪日旅行者数が回復する見込みで、オリンピック開催の波及効果やインドや中国を対象にしたビザ発給要件の緩和、日本路線の増便などもあり、結果的に2019年推計比で7.9%増は確保できるとみている。
またJTBは宿泊施設が多様化しており、民泊が新たな選択肢となっていることにも触れている。