観光庁はこのほど、事業者からの定期報告を基にした2019年10〜11月分の住宅宿泊(民泊)事業の実績を発表した。「延べ宿泊者数」は2調査連続減の86万185人泊となり、 前回(8〜9月)比で11.6%減となった。観光庁は「前回から減少している都道府県が全国的に多く見られた」としている。
ちなみに民泊を含まない宿泊旅行統計調査においては、10〜11月は8〜9月に比べてやや数字が落ち込む傾向がある。そのため、今回の減少は一概に民泊特有のものと言い切ることはできないが、ピーク期の8月を含む前回調査でも減少傾向がみられたため、季節要因によるものだけとも考えにくい側面がある。
要因は複合的だと考えられ、その一つが韓国からの宿泊者数の大幅減少だ。前回調査から宿泊者数ベースで52.8%減となっている。また「民泊」から「旅館業(簡易宿所)」に転用した物件に訪日観光客が流れている可能性もある。ホテルが増え、民泊に訪日客が流れにくくなった地域があることも考えられる。
ちなみに届出住宅数はついに2万件を突破している。前々回調査では1万8004件、前回調査では1万9283件だっが、今回調査では2万366件(11月30日時点)だった。定期報告をしている物件数も最近は調査ごとに1000件程度ずつ増えているため、本来であれば延べ宿泊数などの実績は増加しやすいことが考えられる。
以下は宿泊旅行統計調査(対象:ホテル、旅館、簡易宿所)における延べ宿泊者数の推移と、今回調査に添えられた民泊実績の推移だ。皆さんはどう感じるだろうか。
▼ホテル、旅館、簡易宿所
▼民泊