東京商工リサーチは2月25日、愛知県蒲郡市(がまごおりし)の観光旅館「冨士見荘」が事業を停止し、破産手続き開始を申請することを発表した。「新型コロナウイルス」の感染症拡大の影響による初の経営破綻と発表されている。
冨士見荘は西浦温泉の観光旅館で、中国人ツアーの受け入れに力を入れていたが、今年1月ごろから新型コロナウイルスの影響で団体客のキャンセルが続いた。春節の大型連休中と重なったこともあり売り上げへの打撃は大きく、事業の継続を断念する形となった。
東京商工リサーチによれば、冨士見荘は三河湾を望む景観や新鮮な魚介類が売りの一つで、業績不振で2013年には経営の行き詰まりが表面化したが、中国などからのインバウンド集客に注力したことで、事業の継続を模索していた。
▼(株)冨士見荘 : 東京商工リサーチ~「新型コロナウイルス」による初の経営破綻~
https://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20200225_01.html
東京商工リサーチは、新型コロナウイルスに関するアンケート調査を実施し、その結果を20日に発表している。日本国内の企業に関していえば、既に66.4%が「すでに影響が出ている」または「今後影響が出る可能性がある」と回答しているという。
東京商工リサーチは「観光・宿泊を含め、インバウンド需要を取り込んできた各地の企業への影響は計り知れない」としている。民泊事業者も資金繰りが悪化しているケースが目立ちつつある。
▼「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200220_04.html