Airbnb国内トレンドは「近場」「3密回避」「ワーケーション」 民泊最大手、オンライン会見で明かす

民泊仲介世界最大手Airbnbの日本法人は6月25日午前11時から、ラウンドテーブルミーティング「ポストコロナ時代におけるAirbnb Japanの取り組み」を報道機関向けにオンライン会議アプリ「Zoom」で開催し、Airbnb Japan代表取締役の田邉泰之氏らが説明を行った。

田邉氏は「ニューノーマルと呼ばれる新たな生活様式に対応した取り組みを日本で進める」と語った上で、現在の国内旅行のトレンドについて「近場の国内」「3密を避ける」「長期滞在型ワーケーション」の3つを挙げた。貸し切りタイプの予約は80%に上っているという。

具体的な数字は以下のスライドで説明されている。

ゲストにおける「アメニティ(設備)」の検索で多かったのが「キッチン付き」「WiFi付き」などで、ワーケーション需要やブレジャー需要(ビジネス+レジャー)が高まっていることが感じられるという。

■「Go Near」キャンペーンを6月30日から実施

さらに、「Go Near〜身近にある、特別な旅〜」を夏のキャンペーンとして6月30日から開始することも明らかにした。ユーザーの近くにある宿泊施設を表示する形で実施し、第1弾としては自然の中にある宿泊施設などを主に紹介していくという。

■オンライン体験コンテンツ「今後も拡充」

オンライン体験では「フード&ドリンク」カテゴリーなどが人気で、今後もコンテンツを拡充していくという。日本のコンテンツの人気トップは「お坊さんとオンライン瞑想」だったという。

また4月にローンチしてから5万件の予約があり、5つ星率が96%と非常に高かったことについても説明された。

■大阪市と民泊啓発リーフレットを作成

大阪市と協働して民泊啓発リーフレットを作成する取り組みについても発表した。民泊を正しく理解してもらうためのリーフレットで、7月から大阪市の公共施設などで配布される予定だという。

■「日本語版Airbnb清掃スタンダード」を導入

国内での「清掃ガイドライン」の整備についても説明があった。具体的には「日本語版Airbnb清掃スタンダード」を導入し、清潔で衛生的な宿泊先をゲストが検索できるようにするという。ゲストの清掃に対する関心が高まっていることを受けた対応のようだ。

清掃スタンダードは、外部の専門家として元米国公衆衛生局長官からアドバイスを受け、除菌などについても基準を設けたという。ホスト向けの「チェックリスト」も紹介した。

■リスティングの数「2019年末の9万室からほぼ変わらず」

リスティングの数の変化については、2019年末ごろは9万室が予約可能な状況だったが、いまも同程度の数字だという。

日本人による旅行やインバウンド旅行の回復時期については、田邊氏から「間違いなく旅をしたいという人はいるので、直近のトレンドを見ながらキャンペーンを行い、まずは近場の3密を避けることができるような旅行のニーズをとらえていきたい」といった趣旨の話があった。