民泊新法はいつから?旅館業法、民泊条例との違いや注意点

民泊新法の要点②「届け出制」

いつから施行されるのか注目を集めている民泊新法。その法に遵守して民泊の運用を開始する際に、事業が「許可制」となるのか「届出制」となるのかは、焦点の一つとなっていた。

「許可制」と「届出制」については、2015年の派遣法改正の際などに特に注目を集めた。特定労働者派遣事業においてそれまでは届出制で開業することができたが、派遣業務の全てにおいて許可制が敷かれることとなった。許可制はに事業内容について基準項目を多く設け、届出制より事業をスタートする上でのハードルが高いことが特徴の一つだ。

いつから施行されるのか注目を集めている今回の民泊新法にあっては、より登録が簡易で事業開始へのハードルも低い「届出制」が導入される見込みとなっている。この点については、多くの民泊事業の提供者や提供予定者からも歓迎の声が上がっている。また届け出はインターネットを通じて行うことができるという点も特筆すべき内容となっている。旅館業法の規制を受けるホテル・旅館業者は、原則的に事業開始には国の許可が必要で、民泊サービスへの参入ははるかにホテル業などよりも低くなる見込みだ。

届出制について、さらによく理解しておきたい点の一つとしては、部屋ごとの届け出が必要であることだ。

いつから施行されるのか注目を集めている民泊新法においては、集合住宅などの1室からでも運営スタートは可能な内容となっているが、現時点で判明している民泊新法案の方針においては、各部屋ごとに届け出が必要となる。仮に、集合住宅1棟すべての部屋で民泊サービスを提供する場合も、全ての部屋分の届け出が必要となる方向で検討が進められている。

現時点では届け出先や登録業務を担当する機関は明らかになっていない。政府は国土交通省や観光庁、都道府県、各自治体の地域内になる保健所などを軸に検討を進めているとみられる。今後、国会で提出された内容の検討が進む中で登録先がどこになるか固まる。

民泊新法の要点③「2つの形態」

いつから施行されるのか注目を集めている民泊新法では、民泊運営の形態を「ホームステイ型」と「家主不在型」の2種類に分け、運営者(ホスト)に課す義務をそれぞれ規定する。この「ホームステイ型」(家主同居型)と「家主不在型」それぞれの予定されている義務項目についてみていきたい。

ホームステイ型とは、例えば、戸建て住宅の一室を民泊サービス用に使うが、一方で住宅内の別室などで家主が生活をしているケースのことを指す。この場合は、民泊サービスを利用して居室に宿泊している旅行者などと、その周辺に住む地元住民との間で起きたトラブルに対する適切な対応が義務づけられるほか、民泊宿泊者の名簿を常に作成することや、ゴミ捨てや清掃などの宿泊サービスを提供刷る上で最低限の衛生管理などの義務が課される見込み。

一方、ホームステイ型とは異なり、民泊サービスを提供する住宅などの物件のいずれかの空間に家主が住んでいない形態を「家主不在型」と定義する。この場合に義務づけられるのが、国交省に登録されている業者への管理委託だ。管理業者には、ホームステイ型で家主に課される義務と同等の名簿作成や苦情対応などの責任が求められる。国交省はそれらの業者を監督する。

また同時に、民泊運営の主体となる個人・企業(ホスト)とは異なる枠組みとして、インターネットなどを利用して事業展開を行う民泊仲介業者についての規制も知っておきたい。これらの民泊仲介業者には観光庁への登録義務が課される。この背景には、インターネットを利用して仲介事業者の中には問い合わせ先などを明記していないケースが多く、トラブル防止などに向けた監督体制を強化する目的がある。

また、これらの仲介業者には「契約内容の宿泊者に対する説明義務」が課される見込みとなっている。

施行時期がいつからかに注目すると同時に、しっかり理解しておきたいポイントの一つだ。

民泊新法の要点④「1泊から可能」

いつから施行されるのか注目を集めている民法新法においては、最低宿泊日数の制限は設けられない見込みだ。宿泊日数も多くの民泊業者が注目していた項目の一つだった。

現在すでに適用されている特区民泊(旅行業法の特例制度による民泊)においては、「2泊3日以上」が同制度を活用する上での要件の一つとして構成をされていた。このため、1泊のみの宿泊について、合法的に宿泊希望者を受け入れる手段がなかった。今回の民泊新法において、最低宿泊日数の制限項目が設けられなかった場合は、より宿泊希望者のニーズに沿った形で受け入れを実現できるという大きなメリットを民泊運営者が享受することができる形となる。

参考「規制改革に関する第4次答申」

上記、特に4点を要点として挙げ、民泊新法の内容を読み解いてきた。民泊新法の内容は成立に向けた検討により変わる可能性もあるが、大きな方向性は既に示されていると考えられている見方が多い。特にその大枠の方向性については、内閣府の規制改革会議で昨年5月19日答申された内容が理解の助けとなりそうなので、下記に抜粋を掲載する。

 民泊サービスにおける規制改革地域に人を呼び込むためには、人を惹きつける魅力的なコンテンツが必要であり、地域における生活を直接体験できる「民泊サービス」は、その大きな要素となり得る。

 しかし、現行、「民泊サービス」は実態が先行し、必要な旅館業の許可を得ていない事例が多くみられるとの指摘もあり、早急に適切なルールを策定し、推進していくことが必要である。

 このため、宿泊サービスに多様な選択肢を与え、新たな宿泊需要を喚起するとともに、外部不経済などの様々な課題に対応し、適切な規制の下でニーズに応えた「民泊サービス」が推進できるよう、類型(家主居住型・家主不在型)別に規制体系を構築する

なお、「民泊サービス」は、シェアリングエコノミーにおけるサービスの一分野であり、このシェアリングエコノミーに係る規制の在り方について、今期は、前期からの課題となっており、実態面での広がりが顕著な「民泊サービス」における規制改革の検討を集中的に行った。

「民泊サービス」の他にも、自動車や、会議室等の施設、労働力、資金、知識・スキ ルなどをシェアする様々なサービスがあり、シェアリングエコノミーを更に推進し、社会全体で資産が最大限に活用される環境を作るためには、必要かつ適正なルールの検討が不可欠である。

一方で、シェアリングエコノミーについては、従来のようなサービス提供者に対する事前型の業規制を基本にしては適切な規制は困難であること、サービスの適切な利用を確保するためには仲介事業者に対する規制の在り方が課題となること等の特性があり、今後、「民泊サービス」以外の分野も含め、規制改革の検討を行うに当たっては、このような特性を踏まえて、新たな規制の在り方を検討することが必要である。

【全文解説】民泊新法(住宅宿泊事業法)法案