【法案全文】民泊新法(住宅宿泊事業法)

 第二章 住宅宿泊事業

  第一節 届出等

 

 (届出等)

第三条 都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区(以下「保健所設置市等」という。)であって、その長が第六十八条第一項の規定により同項に規定する住宅宿泊事業等関係行政事務を処理するものの区域にあっては、当該保健所設置市等の長。第七項を除き、以下同じ。)に住宅宿泊事業を営む旨の届出をした者は、旅館業放題三条第一項の規定にかかわらず、住宅宿泊事業を営むことができる。

 前項の届出を使用とする者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、住宅宿泊事業を営もうとする住宅ごとに、次に掲げる事項を記載した届出書を都道府県知事に提出しなければならない。

  商号、名称又は氏名及び住所

  法人である場合においては、その役員の氏名

  未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合にあっては、その商号又は名称及び住所並びにその役員の氏名)

  住宅の所在地

  営業所又は事務所を設ける場合においては、その名称及び所在地

  第十一条第一項の規定による住宅宿泊管理業務の委託(以下単に「住宅宿泊管理業務の委託」という。)をする場合においては、その相手方である住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項

 前項の届出書には、当該届出に係る住宅の図面、第一項の届出をしようとする者が次条各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない。

 住宅宿泊事業者は、第二項第一号から第三号まで、第五号又は第七号に掲げる事項に変更があったときはその日から三十日以内に、同項第六号に掲げる事項を変更しようとするときはあらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

 第三項の規定は、前項の規定による届出について準用する。

 住宅宿泊事業者が次の各号のいずれかにが該当することとなったときは、当該各号に定める者は、国道交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、その日(第一号の場合にあっては、その事実を知った日)から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

  住宅宿泊事業者である個人が死亡したとき その存続人

  住宅宿泊事業者である法人が合併により消滅したとき その法人を代表する役員であった者

  住宅宿泊事業者である法人が破産手続開始の決定により解散したとき その破産管財人

  住宅宿泊事業者である法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき その清算人

  住宅宿泊事業を廃止したとき 住宅宿泊事業者であった個人又は住宅宿泊事業者であった法人を代表する役員

 都道府県知事は、第一項、第四項又は前項の規定による届出を受理した場合において、当該届出に係る住宅が保健所設置市等(第一項に規定する保健所設置市等を除く。)の区域内に所在するときは、遅滞なく、その旨を当該保健所設置市等の長に通知しなければならない。

 

 (欠格事由)

第四条 次の各号のいずれかに該当する者は、住宅宿泊事業を営んではならない。

  成年被後見人又は被保佐人

  破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

  第十六条第二項の規定により住宅宿泊事業の廃止を命ぜられ、その命令の日から三年を経過しない者(当該命令をされた者が法人である場合にあっては、当該命令の日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該命令の日から三年を経過しない者を含む。)

  禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律若しくは旅館業法の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過しない者

  暴力団員による不当な行為の防止などに関する法律(平成三年法律第七十七号)第二項第六号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(以下「暴力団員等」という。)

  営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人である場合にあっては、その役員を含む。第二十五条第一項第七号及び第四十九条第一項第七号において同じ。)が全各号のいずれかに該当するもの

  法人であって、その役員のうちに第一号から第五号までいずれかに該当する者があるもの

  暴力団員等がその事業活動を支配する者

  第二節 業務

 

 (宿泊者の衛生の確保)

第五条 住宅宿泊事業者は、届出住宅について、各居室(住宅宿泊事業のように供するものに限る。第十一条第一項第一号において同じ。)の床面積に応じた宿泊者数の制限、定期的な清掃その他の宿泊者の衛生の確保を図るために必要な措置であって厚生労働省令で定めるものを講じなければならない。

 

 (宿泊者の安全の確保)

第六条 住宅宿泊事業者は、届出住宅について、非常用照明器具の設置、避難経路の表示その他の火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置であって国土交通省令で定めるものを講じなければならない。

 

 (外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保)

第七条 住宅宿泊事業者は、外国人観光旅客である宿泊者に対し、届出住宅の設備の使用方法に関する外国語を用いた案内、移動のための交通手段に関する外国語を用いた情報提供その他の外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置であって国土交通省令で定める者を講じなければならない。

 

 (宿泊者名簿の備付け等)

第八条 住宅宿泊事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより届出住宅その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があったときは、これを提出しなければならない。
2 宿泊者は、住宅宿泊事業者から請求があったときは、前項の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項を告げなければならない。

 

 (周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明)

第九条 住宅宿泊事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、宿泊者に対し、騒音の防止のために配慮すべき事項その他の届出住宅の周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項であって国土交通省令・厚生労働省令で定めるものについて説明しなければならない。

 住宅宿泊事業者は、外国人観光旅客である宿泊者に対しては、外国語を用いて前項の規定による説明をしなければならない。

 

 (苦情などの処理)

第十条 住宅宿泊事業者は、届出住宅の周辺地域の住民からの苦情及び問合せについては、適切かつ迅速にこれを処理しなければならない。

 

 (住宅宿泊管理業務の委託)

第十一条 住宅宿泊事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を一の住宅宿泊管理業者に委託しなければならない。ただし、住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業者である場合において、当該住宅宿泊事業者が自ら当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を行うときは、この限りではない。

 一 届出住宅の居室の数が、一の住宅宿泊事業者が各居室に係る住宅宿泊管理業務の全部を行ったとしても、その適切な実施に支障を生ずるおそれがないものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める居室の数を超えるとき。

 二 届出住宅に人を宿泊させる間、不在となるとき(住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅との距離その他の事業を勘案し、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託しなくてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認められる場合として国土交通省令・厚生労働省令で定めるときを除く。)

2 第五条から前条までの規定は、住宅宿泊管理業務の委託がされた届出住宅において住宅宿泊事業を営む住宅宿泊事業者については、適用しない。

 

 (宿泊サービス提供契約の締結の代理等の委託)

第十二条 住宅宿泊事業者は、宿泊サービス提供契約(宿泊者に対する届出住宅における宿泊のサービスに係る契約をいう。)の締結の代理又は媒介を他人に委託するときは、住宅宿泊仲介業者又は旅行業者に委託しなければならない。

 

 (標識の掲示)

第十三条 住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令・厚生労働省令で定める様式の標識を掲げなければならない。

 

 (都道府県知事への定期報告)

第十四条 住宅宿泊事業者は、届出住宅に人を宿泊させた日数その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項について、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、定期的に、都道府県知事に報告しなければならない。

  第三節 監督

 

 (業務改善命令)

第十五条 都道府県知事は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、住宅宿泊事業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 

 (業務停止命令等)

第十六条 都道府県知事は、住宅宿泊事業者がその営む住宅宿泊事業に関し法令又は前条の規定による命令に違反したときは、一年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。

 都道府県知事は、住宅宿泊事業者がその営む住宅宿泊事業に関し法令又は前条若しくは前項の規定による命令に違反した場合であって、他の方法により監督の目的を達成することができないときは、住宅宿泊事業の廃止を命ずることができる。

 都道府県知事は、全二項の規定による命令をしたときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を住宅宿泊事業者に通知しなければならない。

 

 (報告徴収及び立入検査)

第十七条 都道府県知事は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊事業者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、届出住宅その他の施設に立ち入り、その業務の状況若しくは設備、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 

  第四節 雑則

 

 (条例による住宅宿泊事業の実施の制限)

第十八条 都道府県(第六十八条第一項の規定により同項に規定する住宅宿泊事業等関係行政事務を処理する保健所設置市等の区域にあっては、当該保健所設置市等。以下この条において同じ。)は、当該都道府県の悔区域のうちに、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事業による生活環境の悪化を防止することが特に必要であると認められる区域があるときは、条例で、観光旅客の宿泊に対する需要への的確な対応に支障を生ずるおそれがないものとして政令で定める基準の範囲内において、期間を定めて、当該区域における住宅宿泊事業の実施を制限することができる。

 

 (住宅宿泊事業者に対する助言等)

第十九条 観光庁長官は、住宅宿泊事業の適切な実施を図るため、住宅宿泊事業者に対し、インターネットを利用することができる機能を有する設備の整備その他の外国人観光旅客に対する接遇の向上を図るための措置に関し必要な助言その他の援助を行うものとする。

 

 (宿泊事業に関する情報の提供)

第二十条 観光庁長官は、外国人観光旅客の宿泊に関する利便の増進を図るため、住宅宿泊事業の実施状況その他の住宅宿泊事業に関する情報を提供するものとする。

 観光庁長官は、前項の情報を提供するため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、当該都道府県の区域内に所在する届出住宅に関し必要な情報の提供を求めることができる。

 

 (建築基準法との関係)

第二十一条 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)及びこれに基づく命令の規定において「住宅」、「長屋」、「共同住宅」又は「寄宿舎」とあるのは、届出住宅であるものを含むものとする。