【図解付き】民泊新法案が衆議院本会議で可決=参議院へ送付

 空き部屋や空き家を有料で貸し出す「民泊」について定める住宅宿泊事業法(民泊新法)案が6月1日、衆議院本会議で与党や民進党などの賛成多数で可決、参議院に送られた。参議院で今月6月中にも可決・成立する見込み。

 民泊新法案は日本国内で初めて「民泊」に焦点を当てたもの。民泊新法が成立した場合は、成立から1年以内に法律は施行される。政府・与党は早ければ来年1月の施行を目指しているとされている。

 世界的にシェアリングエコノミーが広がる中、日本国内でも民泊事業を行う個人・法人が増加。しかし、これまで民泊を合法的な事業展開には、旅館業法における「簡易宿所」などの営業許可や「特区民泊」などの枠組みを活用する方法に限られていた。

 民泊新法が施行されると、「事業者」(ホスト)は、都道府県知事または市町村長に届出をすることで事業が可能となり、「管理業者」は国土交通大臣、「仲介業者」は観光庁長官から登録を受けることで、合法的に事業を行うことができるようになる。

 民泊新法案では、年間の1物件あたりの営業(宿泊)上限日数を180日(泊)と定めている。また、この上限日数については、各都道府県で地域の実情などに合わせてさらに日数を少なく制限できることもできるとされている。

 民泊新法案においては、事業者(ホスト)の業務内容として、宿泊者の衛生の確保(人数制限や清掃など)や安全の確保、外国人宿泊者の快適性と利便性の確保などを義務づけているほか、宿泊者名簿を備えることや周辺住民からの苦情や問い合わせの処理、標識の掲示などについても記載されている。

 また、事業者(ホスト)が「家主不在型」で民泊をゲストに提供する場合は、一部のケースを除いて管理業者に業務を委託する必要があるとされている。民泊新法案では管理業者についても定められており、業務内容は、事業者(ホスト)が行うべき業務の代行、業務帳簿の備え付け、証明書の携帯などが定められている。

 ゲストとホストの宿泊契約などを取り次ぐ仲介業者についても定めており、業務内容としては、仲介料金の公示や宿泊者への契約締結前の書面の交付・送付などが義務づけられる。

 民泊新法案では、届出・登録された各業者に対する罰則規定についても定められている。不正登録や未登録などを行った場合は、事業者(ホスト)は6月以下の懲役または100万円以下の罰金、管理業者・仲介業者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金、が科される。

 民泊新法案における「事業者」「管理業者」「仲介業者」についての詳しい業務内容は、下記の通り。

【全文解説】民泊新法(住宅宿泊事業法)法案

【全文解説】民泊新法(住宅宿泊事業法)法案