旅館業法の規制見直し、今月中にも閣議決定へ

 政府の規制改革推進会議は先月23日、2020年の東京オリンピックも視野に旅館業法(民泊用語集:旅館業法)の規制見直し策などを盛り込んだ答申を、安倍晋三首相に提出した。この答申は今月中にも閣議決定される見込み。

 規制改革に関する今回の答申では、旅館業法の規制見直し策など141項目が盛り込まれた。旅館業法については、最低客室数の客室撤廃や寝具の種類に関する規制の撤廃が挙げられた。

 旅館業法について同会議は「昭和23年に『公衆衛生及び国民生活の向上に寄与すること』を目的として制定された旅館業法は、時代に応じた変更が不十分なまま今日に至っている」と指摘している。

 その上で、「過剰な規制はホテル・旅館事業者の創意工夫を阻むものであり、外国人観光客を含む宿泊需要の拡大や宿泊ニーズの多様化に十分対応できていないとの指摘がある」としている。

 そして答申では、旅館業に関係する構造設備の基準の規制全般について、撤廃することができないかゼロベースで見直すとした上で、少なくとも下記の見直しを行うとしている。

  • 客室の最低数の規制については、撤廃する。
  • 寝具の種類の規制については、撤廃する。
  • 客室の境の種類の規制については、撤廃する。
  • 採光設備の具体的要件の規制については、建築基準法令に準じた規定に改める。
  • 照明設備の具体的要件の規制については、数値による規制は撤廃し、定性的な表現に改める。
  • 便所の具体的要件の規制については、数値による規制は撤廃し、定性的な表現に改める。
  • 客室の最低床面積の規制については、ベッドの有無に着目した規制に改める。
  • 入浴設備の具体的要件の規制については、規制の緩やかな旅館の水準に統一する。また、レジオネラ症等の感染症対策及び利用者の安全等に必要な規制以外の規制は撤廃する。
  • 玄関帳場の規制については、「受付台の長さが1.8m以上」等の数値による規制は撤廃する。また、ICTの活用等により対面でのコミュニケーションに代替する方策について具体的に検討した上で、ICTの活用等による適用除外を認める。

規制改革推進に関する第1次答申〜明日への扉を開く〜
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/committee/20170523/170523honkaigi01.pdf

写真の出典:首相官邸ホームページ
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201705/23kiseikaikaku.html

民泊新法はいつから?旅館業法、民泊条例との違いや注意点