沖縄県内の修学旅行で「違法民泊」取締り強化で実態表面化

 修学旅行における宿泊の一部が違法だった—。

 沖縄県の地元紙「琉球新報」は28日、修学旅行生を受け入れている圏内の教育旅行民泊施設1196カ所のうち、旅館業法における許可を取っていなかった施設が406カ所に上る、と報じた。これは全体の3割強にあたる。

 沖縄県の生活衛生課が2016年7〜8月にかけて実施した実態調査で明らかになったという。

 これらの教育旅行民泊施設は、県内市町村の観光協会などに登録されている施設だ。今回の実態調査を受け、今後の沖縄旅行における宿泊先に大きな変化が起こる可能性があるとみられている。

 また同課は、Airbnbなどの民泊仲介サイトに登録されている民泊物件についても調査。同紙の報道によると、調査した573施設の54%(309施設)が無許可だったという。

 今回の報道の波紋が広がれば、沖縄以外の県や市町村でも同様の調査が積極的に行われる可能性もある。

「イベント民泊」の実施県

 沖縄県は、多数の集客が見込まれる行事に合わせて実施する「イベント民泊」にも積極的だ。広島東洋カープの優勝パレードにおいて「イベント民泊」を実施したことは、大きな話題になった。

広がる「公認民泊」 沖縄市が試験的「イベント民泊」 カープ優勝パレードに合わせ

 沖縄県文化観光スポーツ部観光政策課が公表した「沖縄県入域観光客統計概況」によれば、昨年2016年に沖縄を訪れた観光客は861万3100人で、前年比で11%増加した。そのうち208万2100人が外国人観光客で、全体の24%を占める。

 最も多いのは台湾からの観光客で約60万人。格安航空「バニラエア」が台北〜那覇路線を新規修好したことやクルーズ船の寄港回数の増加により、過去最高であった昨年を上回った。

 県の大きな収入源である観光産業の振興は、沖縄県にとっても最重要施策に掲げるものの一つ。今後、政府が今国会に提出を予定している民泊新法や旅館業法における「合法民泊」の推進にも、力を入れていくとみられる。