内閣府は8日、街角景気を調べる景気ウォッチャー調査の5月データを発表し、現状判断DI(季節調整値)は前月比0.5ポイント上昇の48.6となり、改善傾向が見られた。
この景気ウォッチャー調査。タクシーの運転手や飲食店の経営者などの地域の景気を肌で感じている職業の人たちに街角景気について質問しており、調査結果としての指数の動向も注目されるが、調査結果で指数ととに発表される回答者の生の声も貴重なデータとなっている。
この記事では、8日に発表された最新の景気ウォッチャー調査において、「観光・インバウンド関連」についての回答を紹介する。民泊ホストや民泊関連ビジネスを行う企業の担当者、インバウンドに関わる人などに参考にしてほしい。
この調査における有効回答数は全国で1860人だった。
景気判断:◎(良)と回答
北海道:一般小売店(土産) 【現状】外国人観光客の大量買いはなくなったが、国内客による自分用の土産の購入などもあり、個人消費が少しずつ持ち直している。
景気判断:○(やや良)と回答
北海道:観光型ホテル 【現状】アジア圏からの観光客が好調である。特にゴルフ目的の観光客が好調であり、大統領選挙を終えたばかりの韓国人観光客は活況を呈している。国内企業の大型報奨旅行も好調に推移している。
北陸:金融業 【現状】山岳観光ルートへのインバウンド客が増加している。
近畿:都市型ホテル 【現状】インバウンドによる宿泊の増加は継続している。客室単価も高止まりのまま推移しており、周辺企業からも、出張での宿泊手当ての上昇はやむを得ないとの声が聞かれる。さらに、食堂は朝食が好調で、若干の値上げもあり、大幅な増収となっている。法人宴会も不安定ながら前年を上回っているなど、全部門で収入増となっている。
四国:商店街 【現状】商店街は週末を中心にインバウンド客などでにぎわっている。人通りが増えても売上へは直結していないが、以前より消費マインドは向上しているように感じられる。その恩恵は、飲食や催事に表れている。
九州:高級レストラン 【現状】韓国、台湾、香港、米国等のインバウンドや家族等の団体客が多くなったが、地元の客が少ない。
沖縄:百貨店 【現状】これまで低迷していた衣料品売上が、今月は押し上げる形で貢献している。また、化粧品売上は好調をキープしており、インバウンド客も含めると、全館売上への貢献度が大きい。免税売上にはならないが、食品総菜売場でのインバウンド客の食事も陰の貢献度は高い。
北関東:旅行代理店 【先行き】大型観光キャンペーンの効果や訪日観光客の増加などを要因として、当地来訪者の伸びが堅調である。
南関東:一般レストラン 【先行き】東京オリンピックに向けて、インバウンド客も増えており、来客数はまだ伸びそうである。