SQUEEZE(東京都・舘林 真一)は、IoT(モノのインターネット)を活用した宿泊特化型ファミリー向けホテルを今年8月、大阪市内で開業する。自社開発のシステムを活用することで、民泊サイトやオンライン旅行会社(OTA)サイトへのクロス掲載による高い集客や、事前決済機能によるキャンセルリスクの回避、クラウドソーシングの活用による人件費の低減などを実現。同社はIoTを活用したホテル運営を実践していくことで、訪日観光客が年々増加する日本国内の宿泊業界で喫緊の課題となっている「労働力不足」の解消・緩和にも貢献していきたい考えだ。
同ホテルのコンセプトは「暮らすような宿泊」。「ミニマル」(minimal、最小)な運営体制、「イン」(inn、宿泊施設)、「家族みんな」で泊まれる部屋、という3つの構想から、ホテル名は「Minn」(ミン)と名付けた。
メインターゲットは、グループやファミリー利用の訪日外国人旅行者。客室は全室30㎡以上で、通常のホテルより広めに設計した。また、台所やリビングを備えることで「暮らすような宿泊体験」や「セカンドハウスのような施設」を提供する。
「IoT」土台に収益性高める
同ホテルでの革新的な取り組みの一つとなるのが、「IoTの活用」を軸に据えた運営だ。施設運営の業務体制を省人化・最小化しつつ、高い収益性も確保し、宿泊者の高い満足度の維持も目指す。
この取り組みの土台となるのが、同社が2014年11月に運用サポートを開始した民泊・旅館・ホテルなどの宿泊事業者向け運営支援サービス「mister suite(ミスタースイート)」だ。
従来のホテル集客では、オンライン旅行会社(OTA)サイトのみでの掲載・予約管理が一般的だった。しかし同ホテルでは「mister suite」のシステムを活用し、AirbnbやHomeAwayなどの民泊仲介サイトと、AgodaやBooking.comなどのOTAサイトの両方に情報を掲載。より多くの旅行者にリーチすることで、高い集客力を見込む。
また予約管理体制においては、クレジットカード決済を事前に完了しておくことで、キャンセルリスクを低減しつつ、フロントでの宿泊料金の収受業務を削減する。そのほか、スマートロックを活用することで、宿泊者のセルフチェックインを実現。高い安全性を保ちながら、フロントにおけるチェックイン業務も削減する。
クラウドソーシングを活用することも、同ホテルの特徴の一つだ。「mister suite」のシステムを活用することで、あらかじめ登録された清掃スタッフや24時間対応のオンラインオペレーターに業務を効率的に分配。固定スタッフを最小限にすることで人件費を抑え、閑散期にも利益率の高い運用体制を実現させる。
業界の「労働者不足」に挑む
同社はまた、「Minn」ブランドでのスマートホテル運営を通じて、人口減少時代を迎えた日本が抱える「労働力不足」という課題に挑む。
訪日外国人旅行者数は2016年、過去最高の2403万人(日本政府観光局=JNTO)を記録。日本国内における宿泊需要は高まる中、宿泊施設や宿泊産業を支える担い手が今後も不足していくことは間違いないと言える。
そんな中、IoTを軸に据えた同社の今回の取り組みには、今も今後も日本が抱え続けるであろう課題を解決する鍵やヒントがぎゅっと詰め込まれている。
「・・・を詰め込む」という意味を持つ「SQUEEZE」という言葉を社名に掲げる同社。さまざまな挑戦や価値を詰め込んだ「Minn」の運営に、大きな期待が寄せられている。
Minn(ミン)- your second home
https://minn.asia/
株式会社SQUEEZE
https://squeeze-inc.co.jp/
mister suite
https://www.mistersuite.com/