中国の民泊最大手が日本語ページ 途家(トゥージア)「2020年まで売上3億円」

 中国最大の民泊仲介サイト「途家(tujia・トゥージア)」が、日本人向けの日本語民泊ページを公開した。日本国内で盛り上がりをみせている民泊需要の取り込みをねらい、途家は日本国内において2020年までに民泊関連事業で売上3億円を目標に据えている。

 途家の日本語ページ http://content.tujia.com/Japan/Index.htm

 途家が中国国内で展開する民泊サイトは、中国国内335都市において民泊物件45万件以上が登録されているマンモスサイトで「中国版Airbnb」とも呼ばれている。途家では海外においても1018都市で民泊物件の登録があり、2020年までに日本における物件登録数も5000件まで伸ばす目標を定めている。

 また、観光産業ニュースサイト「トラベルボイス」が報じたところによると、途家は中国では12%としている民泊宿泊費の手数料を、日本では3%に引き下げる予定という。また途家は、5月末までは仲介手数料を無料とする期間限定プロモーションを実施し、早期の物件確保に力を入れる。

 

中国人旅行者市場は、2020年に2000億円突破か

 では中国人観光客の消費動向を見てみよう。

 途家の日本語版サイトによれば、日本における中国人観光客の市場規模は、2017年に830億円、2018年に1220億円、2019年に1610億円、2020年には2000億円を突破するという。

 2016年1~9月の各種統計などによると、この9カ月間における訪日中国人の消費額は1兆1829億円。内訳ではショッピングが全体の52%(6179億円)と最も多く、宿泊費が20%(2317億円)、飲食費が17%(2113億円)と続く。

 宿泊費でいえば、1日1人当たり7483円を消費していることになる。途家は、本社が中国にある自社の強みを生かしたサポートを訪日観光客向けに行い、この消費を自社の売上に一刻も早く取り込みたい考えだ。

 また途家はサイト内において、日本国内における都市別の消費額(2015年)は、東京が首位で78億円(全体の61%)、大阪が38億円(全体の30%)、京都が4億円(3%)と発表している。大阪においては実際、中国語ゲストへの対応に力を入れている物件も多い。

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 途家の日本語版サイトには、まだ民泊物件の検索枠は用意されておらず、掲載されているのは会社概要や業務内容などだ。民泊物件を登録する「ホスト登録」のリンクを押しても、現在はまだ中国語ページに飛ぶ仕様となっており、今後はいずれかのタイミングで、ホスト・ゲストともに日本語での物件登録・検索ができるようになるとみられる。

 途家の今後の日本国内における民泊事業の展開に注目したい。