なぜ今「特区民泊」・・・? 千葉市2区で導入へ 「上限180日」未適用のメリット

 「年間180日以内」というルールが適用されない!?

 今国会で成立した住宅宿泊事業法(民泊新法)に盛り込まれている年間の営業上限日数。この「180日以内」ルールが適用されずに民泊ビジネスを展開する方法が主に2つある。国家戦略特区の制度を活用した「特区民泊」と、旅館業法における「簡易宿所」などの営業許可を取得する方法だ。

 その一つである「特区民泊」の導入が進む地域がまた一つ増えた。千葉市の内陸部(若葉区と緑区)だ。導入されれば全国で6カ所目となる見込み。市は条例案を9月の議会に提出して、年内の事業開始を目指す。豊かな自然を活用して、滞在型観光で訪日外国人の呼び込みを狙う。

 

 今国会で民泊新法が成立したいま、わざわざ「特区民泊」を導入する理由とは・・・。その一つが「180日以内ルール」が適用されない、ということだ。

 特区民泊や旅館業法における許可取得は、認可を受けるまでのハードルや時間がネックとなり、これまであまり進んでこなかった。その点、住宅宿泊事業法(民泊新法)は諸条件のハードルを低くした上で手続きを簡素化し、都道府県に届け出をすることで「合法民泊」を展開することができるようになった。

 一方で、この「180日以内ルール」は民泊事業者(ホスト)を悩ませる種になるとみられている。民泊物件をどのように収益化するか・・・。賃貸と民泊の二毛作? 貸し会議室にする? 少なくともそんな悩みが無くなるのが、この「特区民泊」で認定を受けることだ。

 特区民泊には、ホームステイ型が認められないことや宿泊日数は最低2泊3日からであること、居室の床面積が25㎡以上であること、台所や浴室などの洗面設備があること、などのルールもあり、決して事業者側にとってハードルは低いわけではない。

 しかし、これらの基準を満たした上で特区民泊を受ければ、年間を通じて「営業(宿泊)日数」にとらわれない民泊事業を展開できるわけだ。

>>特区民泊の広がりにも注目を