シェア市場、民泊などの「空間部門」首位 潜在規模1.3兆円 60代の提供意欲も高め

 情報通信総合研究所(東京)がこのほど実施したシェアリングサービスに関する調査で、2016年の市場規模(サービス提供側が得ている収入)は1兆1812億円で、そのうち民泊などの「スペースのシェア」が6783億円で首位だったことが明らかになった。

種別 市場規模 潜在市場
スペース 6783億円 6338億円
モノ 2197億円 3713億円
移動 1181億円 1505億円
スキル 751億円 1643億円
お金 900億円 1311億円

 情報通信総合研究所はNTTグループのシンクタンク。調査は昨年12月に20〜60代の男女を対象にウェブアンケート形式で行われ、計2,663の回答を得た。

 同社は、民泊仲介世界大手「Airbnb」や空きスペース賃借仲介大手「レンタルスペースマーケット」などを活用した「スペースのシェア」について、将来的な提供意欲を考慮すると、市場規模は現在の倍に近い1兆3000億円規模に膨らむと試算した。

 「スペースのシェア」のサービスを提供した経験がある人の割合は、20代が7.1%で最も高く、30代が4.9%と続いた。若年層を中心に民泊などのスペース貸しが広がっていることが浮き彫りになった。

年代 提供率 提供意向
20代 7.1% 3.2%
30代 4.9% 3.7%
40代 2.4% 2.4%
50代 1.0% 2.8%
60代 1.6% 3.4%

 また「スペースのシェア」への将来的な参入意欲を持つ人の割合については、30代が3.7%と最も高かったが、60代も3.4%と高い割合を示した。老後の収入源などとして休眠資産の運用などに積極的な姿勢などが読み取れる結果となった。

 今国会で住宅宿泊事業法(民泊新法)が成立し、早ければ2018年1月にも法施行による全国的な民泊の解禁が見込まれている。民泊などを含む「スペースのシェア」をサービスとして提供する人の割合は、今後も増えていきそうだ。

プレスリリース
http://www.icr.co.jp/press/press20170628.html