民泊事業に”仮想通貨”技術 シノケングループ スマートロックなどの安全担保

 投資不動産販売のシノケングループ(福岡県)はこのほど、ビットコインなどの仮想通貨で用いられる「ブロックチェーン技術(分散台帳)」を活用し、民泊事業でのIoT(モノのインターネット)化を推進すると発表した。

 ブロックチェーン技術は、複数のコンピューターにおいて取引を記録する仕組みにより、顧客情報の保護や不正改ざんの防止などにおいて強みがある。同社はこの技術をスマートロックに活用するなどして安全性を飛躍的に高め、民泊ゲストが宿泊先の検索や申込、解錠・施錠、滞在、精算などの一連の手続きを、スマホを使って一貫して簡単にできるようにする。

 今年5月から民泊対応型の投資用不動産(マンション・アパート)の分譲を開始している同社は「著しい成長が期待される民泊市場へ画期的なサービスを投入することで、利用者様の満足度を高め、高稼働率を達成していく」と報道発表で強調した。まず管理するアパート・マンション(約25,000戸)を対象に、所有者の了解を得た上で順次サービスを提供していく。

 同社は民泊事業に積極的な姿勢を示していることで、民泊関連株としての注目も高まっている。(民泊大学:【最新版】民泊関連株に熱視線 民泊新法成立で大手・中堅の発表相次ぐ ※3ページ目を参照)

 シノケングループは、ブロックチェーンを活用したシステム開発を手掛けるチェーントープ(福岡県)と資本業務提携し、民泊事業のIoT化推進に向けた共同開発を進める。シノケングループはチェーントープの発行済み株式約15%(約3000万円)を取得したことで、チェーントープの大株主となった。

 空き部屋や空き家を旅行者などに有料で貸し出す「民泊」は、民泊仲介世界大手のAirbnb(エアビーアンドビー)などを通じて、日本でも利用者が拡大した。住宅宿泊事業法(民泊)の来年施行が決まり、コンプライアンス(法令遵守)面での整備も進んできたことから、企業の参入や事業拡大に関する発表が相次いでいる。