「2403万人」。これは2016年に日本全国を訪れた外国人旅行者数だ。
都道府県別でみると東京が最も多く、日本の外国人観光産業の中心地であることには今も昔も変わりはない。昨年、成田空港の国際線の利用者数において外国人が初めて日本人を上回るなど、日本の首都を目指す外国人観光客は増え続ける一方だ。
そんな中、外国人旅行者などに空き部屋を有料で貸し出しする「民泊」が大活躍している。
「日本人の生活スタイルを楽しみたい」「日本文化を身近に感じられる」「ホストの方に会うのが楽しみ」。さまざまな理由で、今日も多くの外国人観光客がアジア随一の世界都市・東京を訪れる。東京を起点に日本旅行を計画する旅行客も多い。
本記事では、盛り上がりをみせ続ける東京都における民泊の「今」を、東京都23区別の民泊件数など最新データから読み解く。
最も民泊物件数が多い区はどこ? 平均宿泊料金は? 今後、東京都内において民泊を始める方や、既に民泊ホストとして活躍している人の参考になれば嬉しく思う。
東京23区首位は新宿3,495件
民泊仲介大手サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」の民泊物件を分析する「AirbDatabank」によると、2017年3月2日時点において、東京都23区内で最も物件数が多いのが新宿区の3,495件。これは全物件数の21%を占める。
続いて、渋谷区が2,198件で第2位となり、全体の13%を占める。その後、港区1,308件(8%)、台東区1,295件(8%)、豊島区1,160件(7%)と続く。ここまでがトップ5位で、この5区で全体の51%を占める数字となっている。
6〜10位を見てみると、世田谷区761件(5%)、墨田区695件(4%)、中央区603件(4%)、中野区536件(3%)、目黒区470件(3%)の順位となっている。この5区では全体の25%ほどを占め、23区内ではトップ1〜10位で全体の約4分の3を占める計算となる。
逆に、民泊物件数が少ない区について数字をみてみると、葛飾区が167件(1%)で最も少ない。少なさ順ではその後、練馬区187件(1%)、江戸川区213件(1%)と続き、全体物件数の割合から言えば1%台にとどまっている。
東京23区内で言うと、国家戦略特区に指定されて民泊条例による「特区民泊」が認められている大田区は、全体では15位(316件)にとどまる。このことからも、民泊産業の盛り上がりは「特区民泊」の枠を越え、区内全域で広がりをみせていると言える。
東京23区の民泊物件数順位一覧
1位 新宿区 3,495件(21.6%)
2位 渋谷区 2,198件(13.6%)
3位 港区 1,308件(8.1%)
4位 台東区 1,295件(8.0%)
5位 豊島区 1,160件(7.2%)
6位 世田谷区 761件(4.7%)
7位 墨田区 695件(4.3%)
8位 中央区 603件(3.7%)
9位 中野区 536件(3.3%)
10位 目黒区 470件(2.9%)
11位 品川区 441件(2.7%)
12位 杉並区 371件(2.3%)
13位 荒川区 331件(2.0%)
14位 北区 330件(2.0%)
15位 大田区 316件(2.0%)
16位 文京区 297件(1.8%)
17位 千代田区 282件(1.7%)
18位 江東区 262件(1.6%)
19位 足立区 229件(1.4%)
20位 板橋区 220件(1.4%)
21位 江戸川区 213件(1.3%)
22位 練馬区 187件(1.2%)
23位 葛飾区 167件(1.0%)