観光庁は3日、宿泊旅行統計調査(速報値)を発表し、2016年に日本国内の宿泊施設を利用した外国人の延べ人数が前年比8%増の7088万人となり、調査開始以降で最高値となったことを明らかにした。
この調査の中で特筆すべきは、地方における宿泊人数の伸び率が三大都市圏(首都圏・大阪圏・名古屋圏)を上回ったことだ。今後の地方における民泊需要のさらなる盛り上がりを予感させるデータとなった。
具体的に数字をみていくと、三大都市圏における2016年の外国人宿泊者数の伸び率は4.8%、三大都市圏以外における外国人宿泊者数の伸び率は13.2%だった。つまり、伸び率の差は2倍強となった。
伸び率1位は「香川県」
2016年に外国人宿泊者数(延べ人数)で最も高い伸び率を示したのは香川県だ。延べ人数は35万6730人と47都道府県中24位にとどまるが、伸び率は69.5%に達した。
2位は岡山県で伸び率は63.2%。外国人宿泊者数(延べ人数)は27万8300人だった。3位は山形県で伸び率41.3%、4位は愛媛県で伸び率37.0%、5位は群馬県で35.2%だった。
宿泊者数1位は「東京都」
2016年に東京都内のホテルや旅館に宿泊した外国人旅行者(延べ人数)は前年比2.8%増の1805万人となり、例年に続いて日本首位となった。
2位の大阪府は前年比14.4%増の1026万人、3位の北海道は前年比8.0%増の692万人だった。4位が京都府で482万人、5位が沖縄県で448万人、と続いた。
国籍別1位は「中国」
2016年の外国人延べ宿泊者数において、1位は中国で1683万人(前年比3.3%増)、2位は台湾で1062万人(同1.3%増)、3位は韓国で780万人(同15.7%増)の順となり、上位1~3位で全体の半数以上を占めた。
また全体的な傾向として、中国や香港、台湾、シンガポール、タイなどアジア圏からの観光客は、東京・大阪以外では北海道に宿泊するケースが目立った。
一方、欧米の国々からの旅行者は、東京に次いで京都に宿泊することが多かった。