全国で4番目に「特区民泊」の制度を導入した北九州市で、認定第1号となる民泊施設「山の家 粋邑 HIRAODAI」が開業した。施設が位置するのは、市街地から約20キロ離れた豊かな自然が残る小倉地区の平尾台エリア。全国的に特区民泊施設が郊外で実施されるのは初めてで、注目を集めている。
民泊施設は広さ120㎡で最大15人が宿泊できる。最低宿泊日数は6日。和室などを有した平屋の日本家屋を現代風に改装してあり、1棟貸し切り型で運営する。平尾台エリアでは天然記念物・国定公園に指定されたカルスト台地が広がっており、トレッキングや鍾乳洞探検、農業体験などのアクティビティも民泊ゲストに提供する。
オーナーは、この地域の魅力発信プロジェクトを手掛ける壹岐尾恵美さん。百戦錬磨(仙台市)が運営する公認民泊サイト「STAY JAPAN」で29日から予約受付(https://stayjapan.com/rooms/1886)を開始し、民泊を通じた地域活性化も目指す。
北九州市は東京都大田区と大阪府・市に続き、国家戦略特区に基づく「特区民泊」制度が今年1月から導入された。ホテルや旅館の営業が制限される市街化調整区域などのみを認定対象地域としていることが特徴で、今回の認定施設は全国的にも初の「郊外型」の特区民泊となった。
特区民泊では、住宅宿泊事業法(民泊新法)における年間の営業日数180日上限のルールが適用されないため、年間を通じての通年営業が可能となっている。特区民泊をできるのは国家戦略特区の指定に基づいた地域に限られるものの、こういった利点に注目して特区民泊を展開する企業も増えている。
「特区民泊」物件が相次ぎ誕生 大阪市で1棟マンション、大田区でも 180日上限なく通年営業