「忍びの里」で農家民泊 海外の富裕層ターゲット 伊賀市の創生事業でJALなど 忍者ランも

忍者の「心・技・体」体験などをメインに据えた地方創生のインバウンド事業が、三重県伊賀市で始まった。日本遺産に認定された「忍びの里 伊賀」に外国人旅行客を呼び込み、今年11月に開催される忍者トレイルランへの参加や当地での農泊、農作業、作陶体験を通じて、地域の魅力を知ってもらおうという取り組みだ。

取り組みは日本航空の「新ジャパンプロジェクト」の一環として産官学民連携で行われ、日本航空(産)、三重大学(学)、三重県・伊賀市(官)、伊賀上野観光協会・忍者トレイルランニングレース実行委員会・丸柱地域まちづくり協議会(民)が参画する。このほど伊賀市でプロジェクトの発足式が開かれた。

三重大学が忍者に関する学術的な裏付けやプログラムの監修を行った上で、県・市と観光協会などがプログラムなどの実施やプロジェクトの全体調整を進める。日本航空は機内媒体や海外ネットワーク網を活かして海外向けにプロモーションを行い、集客する。

ターゲットは欧米などの海外の富裕層。まずプロジェクトの第1弾として、今年11月3日と4日に忍者トレイルランニングレースへの参加企画を実施する。日本遺産「忍びの里 伊賀・甲賀」に含まれる霊山などの忍者がかつで修行で駆け巡ったと山々を走り、忍者の「心・技・体」を体験してもらう。

農家民泊(農泊)は、伊賀焼の里として知られる伊賀市丸柱地域で、既存の古民家を活用するなどして実施する予定。同地域は農村風景が残っている。実際には歴史書などに残っている実際の忍者の生活などについての記録を模して、午前中や農作業、午後は作陶などを体験してもらう。

民泊新法の成立やAirbnbやBooking.com、楽天など各社大手の事業提携戦略、特区民泊や旅館業法における簡易宿所の許可を取得した通年営業に対する評価の高まり、管理組合と民泊ホスト側の裁判など、さまざまなトピックスが多い民泊業界。地方創生と結びつけた取り組みもそのトピックスに並ぶ一つとして、今後も注視していきたい。