3月3日に観光庁が発表した2016年の外国人延べ宿泊者数。前年比で8%増の7088万人と過去最高を記録した。一方この数字は、昨年の訪日外国人客(2403万人)の伸び、すなわち22%と大きく乖離する数字となっている。
日本経済新聞が3日に報じたところによると、観光庁は「ほとんどが民泊の影響ではないか」としているという。つまり、民泊を利用した外国人旅行者が増えている、ということ反映しているとみられる。
「外国人延べ宿泊者人数」と「訪日外国人客」の伸びは、これまでは相関関係が大きかった。
しかし、外国人宿泊者人の調査では、調査先がホテルや旅館などに限られているため、大手民泊仲介サイト「Airbnb(エアービーアンドビー)」などを使って民泊した旅行者の宿泊先を、把握できない状態になっている。
民泊以外でも、クルーズ船ツアーなどで日本を訪れる外国人旅行者も増えているとみられる。
こうした現行の調査ではなかなか見えにくい民泊業界の盛り上がりを正確に把握することは難しいが、一方で、民泊仲介大手サイトAirbnb(エアービーアンドビー)の登録件数などを調べていくと、実際に民泊が盛んになっていることは確実と言える。
今回発表された観光庁による調査結果は、行政側の監督・管理業務、施策検討などにおいて参考資料となるが、民間にとっても今後の宿泊事業を展開していく上での重要なデータとなる。
民泊新法(住宅宿泊事業法)の施行や旅館業法の改正による民泊事業の推進を見据え、政府側には民泊の「違法」「合法」の調査に力を入れるだけではなく、今後もしくは現在既に民泊事業の展開をしている個人・法人に役立つ調査の実施・発表も期待したい。